「純也」
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#26 [あぃみ]
「植物人間って…」

当時の私には理解できなかった。
いつも一緒にいたから。

突然の出来事に泣く事しかできずに、彼のためにお金を稼ぐ事を決意した。

私には両親がいない。
祖父と祖母と暮らしていたが、その彼の家に転がり込んだ。

⏰:07/10/07 22:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#27 [あぃみ]
彼は片親で母と暮らす。
三人で二年間一緒に過ごしていた。

彼の家は貧乏で彼の母がかむしゃらに働いて稼いでいた。そのお金で私の面倒も見てくれていた。

彼が交通事件に合って呼ばれた時、私は入院費を出そうと決めて、高校を辞めて仕事を始めた。

見込みは20%と言われたが、頑張って生きている
私の彼氏。
もぅ二年前の事だった。

⏰:07/10/07 22:31 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#28 [あぃみ]
「あなたは自由にしてなさい。きっとまさるもそう望んでいるから。」


「でもママ、あいは信じてるんだよ。まさるは元気になるんだから!」


事故当時はこんなに一途で純粋だった私も、時がたち、男達にちらほやされるようになり、いつのまにかこの気持ちがどこかに隠れてしまって
月に一回お金を振り込むだけになってしまった。

⏰:07/10/07 22:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#29 [あぃみ]
純也にであった事で、彼氏と深めた愛の事を更に私から離して行った。


「あい、俺、仕事辞めたく。仕事終わったらでんわして?」


「え?…わかったよ!」


純也とは一日に何回も連絡する程になっていた。


私は忙しいから合間合間に連絡をした。

⏰:07/10/07 23:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#30 [あぃみ]
夜中コンパニオンをやって家に付き、純也に電話をする。


「純也なんで仕事辞めたの?どした?」


「いやぁーいろいろあってね…」

少しため息まじりで答えた純也の反応に、
言いたくない感じをとらえたのでそれ以上は聞かなかった。


「ぁ!そんなことより、俺今日車免許とれたよ」


あの笑顔が浮かんでくるくらいに純也は弾んだ声で言った。

⏰:07/10/07 23:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#31 [あぃみ]
「きっとあいが頑張ってって言ったのが効いたんだね!おめでとー!」


「いや、お前に言われなくても俺は受かったけどねっ」


純也は私の事をお前と呼ぶようになった。
それくらい近い存在になったのかと思うとそれだけで嬉しい。


「じゃぁ今度ドライブに連れてってね!」


純也とはあの日店で会った依頼、一度も会ったことがない。

⏰:07/10/08 22:18 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#32 [あぃみ]
「お前今どこいる?」


「…家。だけど…」


「俺早速ドライブしてんだ。今から行くよ!」


「は?無理だよ!」


「は?なんで?」


「だってもうパジャマだしスッピンだし…」


「いいじゃん、別に。」

⏰:07/10/08 22:22 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#33 [あぃみ]
正直、こんな強引な奴とは思っていたかったので私は同様した。

…逢いたいさ、そりゃ。
でも急にもほどがある。
やっぱりオシャレして可愛い姿で逢いたいし、可愛いって思われたいし、なにより心の準備が出来ていない。

「ごめんだよ。本当今は無理だ。また誘って?」


「あー、そうゆう事言うんだぁー、でもお前ならきっと出て来てくれると俺は信じるねっ」


なんて強引な…

だけど、やっぱりちょっと嬉しくて…

⏰:07/10/08 22:28 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#34 [あぃみ]
純也のスイッチが入ったのはこの時からだ。


「じゃあ俺、とりあえず西川駅着いたら電話するからそれまでに支度しといてよ?」


「えー。何分くらいなの?」


「20分くらいかな。」


「はい。わかりました」



私をコントロールする男。「純也」が目覚めた。

⏰:07/10/08 22:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#35 [あぃみ]
20分でまず髪を乾かして、軽く化粧をした。
着替えた。
私は無我夢中で支度をした。


「駅着いたよー、お前んちどこ?電話でナビしてよ?」


純也は本当に20分ジャストで来た。
とりあえず家の近くまで教え、そこまでは歩いて向かった。
夏が終わりかけた秋の夜は心地よくて、清々しい気分になれた。

⏰:07/10/08 22:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


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