僕⇒俺
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#352 [氷雨]
「え…?はや……」
葉山さんは俺の横をそのまま通り過ぎてしまった。
「え………?なんで泣い…て」
俺は葉山さんを追おうとしたけど、足が動かなくて、涙の意味がわからなくて、ただ立ち尽くすだけだった。
それから、葉山さんは帰ってこなかった。
:08/02/29 22:55 :D704i :☆☆☆
#353 [氷雨]
昼を買いに行っている間に早退したみたいだった。
「陽?何かしたの…?」
小宮が不安そうに聞く。
好きな人が泣かされたら気になるよな……
けど言えない。
「いや…何もしてないよ。わかんない…」
:08/02/29 22:57 :D704i :☆☆☆
#354 [氷雨]
俺…すごい嫌な奴だ。
最低だ……。
けど……、小宮は離れていかない。
いい奴……。
けど…なんで葉山さんは泣いたの?
陽の中を色々な思いが交差する。
:08/02/29 23:00 :D704i :☆☆☆
#355 [氷雨]
「メールしたら?」
高槻が急に声を出す。
「へ……?メール……??」
あ……そうか。メールがある。
「そうだよ!メールで聞いたらいいじゃん!!」
小宮も賛成と手をあげた。
「ん、ちょっと聞いてみる」
携帯を取り出し文字を打つ。
:08/02/29 23:04 :D704i :☆☆☆
#356 [氷雨]
――【To 葉山 美咲】――
葉山さん、すみません
俺、もう1度話がしたいです
――――――――――――――
何かした?なんて無神経すぎて送れない。
俺は何をしたのか、自分で気付かないといけない。
そう思った。
横で見ていた小宮も高槻もそれでこそ男だ!なんて言いながら応援してくれる。
:08/03/01 08:50 :D704i :☆☆☆
#357 [氷雨]
「ありがとう。ごめんな…小宮、小宮、葉山さん好きって…」
なんだか申し訳なくて下を向く。
「は…?なーーに言ってんだ!俺はそんなに小さな男じゃないぞ!!」
小宮は両手を腰に当てて、えっへんと言った。
「背は小さいけどなあ」
:08/03/01 08:55 :D704i :☆☆☆
#358 [氷雨]
高槻が悪態をつくと小宮は叫びながら高槻に得意の体当たりを浴びせた。
「高槻ーーー!!」
「ちょっ………!ぃってぇぇえー……」
みごとにまた腹へ直撃。
なんで腹なんだ……
そんな疑問を残して、今日も1日が過ぎる。
:08/03/01 08:56 :D704i :☆☆☆
#359 [氷雨]
葉山さんからは…
――【From 葉山 美咲】――
わかった
私も話があるんだ…真剣な話
学校が終わるくらいに校門にいるね
――――――――――――――
明らかにいつもより元気がないメールだった。
俺のせいだ……。
放課後になり校門を見ると人影が見えた。
:08/03/01 09:01 :D704i :☆☆☆
#360 [氷雨]
「俺、行ってくる!!」
俺は小宮と高槻に言うと走りだした。
「「おう!頑張れよーー」」
2人の勇気のでる言葉を背に階段を駆け下りた。
―――……
校門近くまで行くと葉山さんはいつものように笑って手を振ってた。
:08/03/01 09:04 :D704i :☆☆☆
#361 [氷雨]
「葉山さ…………」
「陽君!!」
俺の足が止まる。
目の前には北原 愛美。
顔を真っ赤にしてふわふわのマフラーを首に巻いて、ちょこんと立っていた。
「え……?北原さん?どうしたの?」
:08/03/01 09:07 :D704i :☆☆☆
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