僕⇒俺
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#470 [氷雨]
「あーーー…、どっか行こっか?」


最初に声をかけたのは、俺だった。

北原さんは嬉しそうに返事すると、歩き出した。

足は自然と街の方へ向かい、カップルの定番デートスポットについていた。

「ここ……」

俺は最初を思い出していた。

⏰:08/04/06 13:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#471 [氷雨]
―ATTRACTIVE―の和樹さんや雅さんのお店や多くのオシャレなお店があり、若者の集まる大きなビル。


初めて葉山さんとデートをした所。


【デート】と呼んでもいいのかという程、主旨は違っていたけれど。


「陽君………、あの、ね。手つないでもいい?」

⏰:08/04/06 13:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#472 [氷雨]
北原さんは真っ赤になっていた。

勇気を出して言ってくれているだな。と思うと、少し愛しかった。


「どうぞ」


俺は手を差し出して、にっこり笑った。

北原さんは笑い返すと飛びつくように俺の手をとった。

「カップルだ」と嬉しそうに笑いながら。

⏰:08/04/06 13:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#473 [氷雨]
「どこか、行きたい所ある?」

俺が聞くと北原さんは考えるような仕草をする。


可愛いな…。

そんな気持ちになれた。


「陽君と一緒ならどこにいても嬉しい」

そう上目遣いで言われれば、やっぱり俺は嬉しくて、笑った。

「じゃあ、そこら辺歩こうか」

⏰:08/04/06 13:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#474 [氷雨]
「うん!」

北原さんも嬉しそうに笑い返してくれた。


けれど、歩いている内に北原さんの機嫌が少しずつ悪くなっているのに気が付いた。


俺、何かしたかな?


不安になる。

「どうしたの?」


俺はつい聞いてしまった。

⏰:08/04/06 13:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#475 [氷雨]
北原さんは少し涙目になっていてギョッとして、焦った。

なんで…?

ハテナが頭を渦巻いてる。


やっと北原さんは口を開いてくれた。


「ちょっと嫉妬と……自信が………、私でいいのかな?って…………」

今まで見た事ないような、胸がギュッと掴まれたような笑顔だった。

⏰:08/04/06 17:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#476 [氷雨]
よく周りを見たら、俺と北原さんをジッと見る人や、「なんで?あんな子が…?」なんで罵声も飛んでいて。


俺は雑誌で少し有名になっていた事を忘れていた。


『愛美を守ってあげてね』

三依の言葉が頭をめぐる。


俺は北原さんを守らないと、

そう思った。

⏰:08/04/06 17:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#477 [氷雨]
「北原さん、大丈夫だよ。俺が守るから、北原さんは可愛いよ」


俺は北原さんに優しく語りかけた。

北原さんは真っ赤になり「嬉しい」と言って涙を流した。


俺はそれな慌ててハンカチを北原さんに渡す。

⏰:08/04/06 17:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#478 [氷雨]
 
 
 
 
数分して北原さんは少しだけ赤い目でにっこり笑った。


「もう大丈夫。ハンカチ洗って返すね」

北原さんは本当に可愛い。


けど…………………





まだ【好き】が言えない。

⏰:08/04/06 17:56 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#479 [氷雨]
 
 
 
「おっ!陽?」

聞いた事ある声が聞こえた。

それはついこの間、葉山さんの事を相談した人だった。


「雅…さん……」

俺の気持ちを知っている。

雅さんを見た瞬間に『逃げたのか?』そう言われたみたいだった。

⏰:08/04/06 21:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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