僕⇒俺
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#541 [氷雨]
「帰るだけの彼女なんて、いけないのに…、俺は北原さんを利用して葉山さんを消そうとした」
涙が流れそうになるくらいに情けなくて、言いながら俺は最低だ。
そう自分に言っていた。
「葉山さんの心には何もない。俺への気持ちなんてない、そう思っていたから」
:08/04/21 13:21 :D704i :☆☆☆
#542 [氷雨]
「俺は逃げた」
俺は外見が変わっただけの、やっぱり【のび太】
逃げて他を頼る。
自分で何かをしようとしない。
拒否されるのが怖いから…
:08/04/21 13:24 :D704i :☆☆☆
#543 [氷雨]
「俺は葉山さんが好きなんです。すごくすごく……けど、北原さんを裏切れない。裏切るなんてしたくないんです!」
雅さんに縋るように視線を合わせて言った。
「どうしたらいいのかもわからない」
俺の頭じゃ考えられない。
自分で考えようとした!けど…
何回考えても答えは見つからなかった。
:08/04/21 13:28 :D704i :☆☆☆
#544 [氷雨]
全て言い終わり雅さんの言葉を待った。
次に聞こえた雅さんの声は怒りに満ちていた。
「陽?お前は逃げてるんじゃないと思う。もっと最低な事……してるんだぞ」
その重い低い声に肩がぞくりと震えた。
そんな怒っている雅さんは初めてだった。
:08/04/21 13:33 :D704i :☆☆☆
#545 [氷雨]
静かに雅さんは呟く。
「【逃げる】と言って、お前は自分が傷つく事が嫌なだけじゃねぇのか?」
雅さんは厳しくだけど、瞳は違った。
優しく俺を覗き込んでいる。
「自分が傷つくのが嫌だからって他の人を傷つける奴は俺は嫌いだ…」
:08/04/21 20:40 :D704i :☆☆☆
#546 [氷雨]
雅さんは悲しそうに俺を見る。
俺はビクリと震える。
「俺は陽が気付いてなかったの気付いてた」
………え?
不可思議な言い方に疑問を抱く。
どういう事?
:08/04/21 20:46 :D704i :☆☆☆
#547 [氷雨]
俺は反射的に雅さんの顔を見た。
また悲しそうな顔で、けどさっきと違って笑っていた。
無理矢理に。
俺は不思議な言葉に首を傾げる。
雅さんは乾いた笑いを漏らすと言った。
「俺は全部知ってたんだ」
:08/04/22 08:09 :D704i :☆☆☆
#548 [氷雨]
意味がわからなかった。
全部知ってる?
何を?
頭はまたハテナで埋め尽くされた。
「はは…、陽…変な顔」
雅さんは苦笑いした。
:08/04/23 16:57 :D704i :☆☆☆
#549 [氷雨]
「へ………………?」
不意に笑った雅さんにマヌケな声を出す。
俺の声を聞くと雅さんはホッとしたような顔をしてふんわり笑った。
そして…
「陽…、美咲は…高校入学してからずっとお前が好きだったんだ」
:08/04/23 19:27 :D704i :☆☆☆
#550 [氷雨]
なんて言った。
……………………
……………え?
葉山さんが…?え…………?
:08/04/23 19:29 :D704i :☆☆☆
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