僕⇒俺
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#765 [氷雨]
瞬間、葉山さんの瞳から一粒の涙が零れた。


「え…………?どうしたんですか!?」



俺はあたふたとどうしたのかと顔を覗く。


瞳は涙で潤んでいて綺麗だった。


けれど、感動している場合では無く、やっぱりあたふたとしてしまう。

⏰:08/08/06 09:12 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#766 [氷雨]
「ね……、陽?」

葉山さんは涙いっぱいの瞳で俺を見上げる。

さらりと流れる髪は綺麗で愛しい。


「ん?何ですか?」


葉山さんは笑っていた。
涙をたくさん溜めて笑っていた。


「あのね、美咲って呼んで」

「……………え?」

⏰:08/08/06 09:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#767 [氷雨]
あたふたとしていた俺は葉山さんの言葉でどこかへ飛んでいき、代わりに思考がフル回転しだす。


突然のお願いに告白した時よりも緊張が走る。


いつの間にか考えるように上を向いていた瞳を意味が分かると参ったと云う風に手のひらで覆う。


照れて葉山さんを見れない。

⏰:08/08/06 09:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#768 [氷雨]
覚悟を決めているとクスクスと笑い声が耳に届く。


手を離し視線を葉山さんへ向ける。


「何、笑ってるんですか?」


何が可笑しかったのか皆目見当もつかなくて首を傾げる。

それでも笑い続ける葉山さん。


「いつもの陽だ」

⏰:08/08/06 09:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#769 [氷雨]
そう嬉しそうに笑い混じりで葉山さんは呟いた。


「いつもの俺……?」


その言葉にさらに首を傾げる。

俺はいつも、いつも通りだったはずなんだけどな。



そう心で呟いた。


すると……

⏰:08/08/06 09:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#770 [氷雨]
「さっきの陽は格好良すぎる……」


頬を隠しながら葉山さんは今までに無いくらい小さな声で呟いた。


けれど、奇跡的に聞き取ると一気に赤くなる感覚を覚えた。



端から見れば¨変な子たち¨に認定されるだろうと思うくらいに真っ赤な2人。



暫く真っ赤でいると同時に笑いが込み上げた。

⏰:08/08/06 09:52 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#771 [氷雨]
「変なの……っ」

「うん、なんだか変ですね」



笑顔で微笑み合った。

この時間が楽しくて久しぶりの心からの満面の笑みだった。



「陽?あのね……」

「うん」


やっぱり照れた様に下を向き顔を隠す仕草は凄く可愛くて愛しかった。

⏰:08/08/06 12:17 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#772 [氷雨]
護りたい。


つい最近までは自分に自信なんて皆無で下ばかり見ていた俺。

¨男らしく¨なんて言葉は到底似合わなくて、のび太だった俺。


まだ¨のび太¨からは脱出できていないかもしれないけれど、
『葉山さんを護りたい』

そう強く心に思う。

⏰:08/08/06 12:21 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#773 [氷雨]
穏やかな気持ちで葉山さんに視線を送る。


そして……






「陽が好き。大好きなの」



照れた頬は淡いピンクで葉山さんは隠す事なく、真っ直ぐに俺を見てくれた。



「え?陽!?どうしたの!?」

⏰:08/08/08 09:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#774 [氷雨]
葉山さんの驚いた声にハッとする。


頬に何かが流れた。


触ると涙だった。


「あ……っ、俺…嬉しくて…」
涙を拭いながら、慌てて言葉を繋げる。

葉山さんは俺の言葉を聞いて嬉しそうに笑った。


「大好き」

⏰:08/08/08 09:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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