僕⇒俺
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#106 [氷雨]
来たぁぁぁぁ〜…

「あ…はい。準備○Κです」

力なく答えて扉を開けた。



――――……

「違う!!もっと動いて!!」
「はい!!」


き…厳しい〜〜……!

撮影が始まって数分、俺は死にそうになりながらポーズを決める。

⏰:08/01/11 08:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#107 [氷雨]
「そうそう!!もう少し顔上げて!俺を睨むように!」


孝裕さん、人変わりすぎ…


「孝裕すげぇ厳しいで有名だからな…けどここまで俺についてこれる陽もすげぇよ」


俺にそっと耳打ちする。


「へ………?」

「何!会話してんだ!集中しろ!!」

罵声に似た孝裕さんの声が響く。

⏰:08/01/11 08:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#108 [氷雨]
「はい!」

雅さんのせいなのにぃ〜〜…


そう思いながらも元気よく返事する。


「雅!お前も!もっと本気だせ!!陽に負けてんぞ!!」


狽・ぇぇええええ!!?

「俺が陽に!?さすが陽!」

「馬鹿か!悔しがれ!!」

雅さんと孝裕さんのコントが始まった?

⏰:08/01/11 08:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#109 [氷雨]
「んな怒鳴らなくてもさぁ〜」

「ふん!本気で仕事しないからだ!そんな事してないで、陽に手本でも見せてやったらどうなんだ?」


呆れた声で雅をけしかける。


「ああ〜!!それいいな!陽?少し孝裕の隣に行って俺の本気見ててくれねぇ?」

ニッと笑って、孝裕のけしかけに乗ってはりきる。

「あ!はい!!」

⏰:08/01/11 22:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#110 [氷雨]
見てみたい!ただただ俺は思った。雅さんの本気を…


孝裕さんの近くで邪魔にならない所で俺は雅さんの本気を見る。


「雅、集中…」

孝裕さんの力強いけれど静かな声が響いた。

雅さんは目を閉じて集中している。

カシャッとカメラの音がすると雅さんの目がスッと開かれた。

⏰:08/01/11 23:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#111 [氷雨]
ニッと笑って楽しそうに雅さんが舞う。


本当は舞ってなんかいないんだけど…なんだか舞ってるんだ。

目が違う。動きが違う。

惹き付けられる。


時にはかっこよく、時には妖艶に…


こんな人に追いつける訳がない。

⏰:08/01/11 23:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#112 [氷雨]
「すごい……」

全く違う世界。

何もかもがかっこいい…


バチッと目が合う。

なぜかカァァァァと体が熱くなった。


息をする間もない。

もっと見てたい。

憧れの世界。

⏰:08/01/11 23:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#113 [氷雨]
「陽、入って」

静かに俺に孝裕さんが指示する。

ハッと我に返る。魅了っていうのはこういう事…

あの光の世界に俺が入っていいのか?

「陽?大丈夫だから来い!」

雅さんが心配して俺に声をかけてくれる。

「はい!!」

俺はあの光に入りたかった。
俺もあの人みたいになりたい。

⏰:08/01/12 00:02 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#114 [氷雨]
俺は走り出して雅さんと並んだ。


自分を出したい。
この人達に認めてもらいたい。
カシャカシャと鳴る音が気持ちよかった。


「陽!もっと笑って!カメラの音を楽しめ!!」

孝裕さんの声も今では怖くない。

「はい!!」

期待を裏切りたくなかった。

⏰:08/01/12 00:07 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#115 [氷雨]
――――……

「お疲れ様」

カメラの音が止む。

「陽!お前やっぱ最高!連れて来て良かったぜ」


雅さんは俺の肩を引き寄せて俺の頭をグシャグシャ撫でる。


「狽・ぇえええ!?ちょっと!せっかくカッコ良くセットしてもらったのに〜」

ちょっと拗ねる。

「ごめんごめん!なんだか嬉しくって!!」

⏰:08/01/12 00:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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