僕⇒俺
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#315 [氷雨]
「陽?恋はな、悩んでこそ花開く」
雅さんは分かりづらい表現を使って俺を励ます。
キョトンと俺がしていると孝裕さんが雅さんの言葉を補う。
「簡単にいうと、悩んでこそ恋だ。悩みまくれ」
孝裕さんはそういってコーヒーを口へと運んだ。
:08/02/26 00:44 :D704i :☆☆☆
#316 [氷雨]
「ええ!?そんなぁ…」
自覚させといて悩めだなんて…
酷すぎるよーー…
そんな言葉も雅さんと孝裕さんには届かずに今日はお開きとなった。
「陽、次の撮影は木曜7時からだぞ…遅れんなよ」
孝裕さんのどすの聞いた脅しにも似た声が響く。
:08/02/26 00:48 :D704i :☆☆☆
#317 [氷雨]
「は!はい!!」
少しどもりながら返事する。
「ぷぷっ!陽ー、孝裕は時間には厳しいからなぁ」
俺のどもり方に笑いながらいう。
「雅ー…?時間に厳しいって知ってんならいつも遅刻するな!この阿呆!!」
孝裕さんが怒鳴る。
:08/02/26 00:54 :D704i :☆☆☆
#318 [氷雨]
「阿呆だあ?阿呆言う方が阿呆だ!!10分くらい大目に見ろ!このケチ野郎!」
雅さんは顔に似合わず子供で、舌をべーっとして孝裕さんを挑発する。
孝裕さんも大変だな…なんて思ってたのに…
「ぁ゛あ゛?ケチ野郎?何処がだよ!?言ってみろ!?」
えええええ!?
孝裕さん…挑発にのっちゃった……
:08/02/26 00:59 :D704i :☆☆☆
#319 [氷雨]
そう思った瞬間、なんだか俺はすごく可笑しくて。
「ぷっ!!あははは!雅さんも孝裕さんも喧嘩は駄目ですようー」
俺は腹をかかえて笑った。
2人は始め、ばつの悪そうにだけど少し照れて睨みあってたけど、俺の笑い声につられて3人で大笑いした。
:08/02/26 01:03 :D704i :☆☆☆
#320 [氷雨]
―――……
「んじゃあ…陽、またな。今日はなんか…かっこわりぃところ見せて悪かったな」
俺を家まで車で送ってくれた雅さんは窓を開けて照れながらいった。
「全然!!すごく楽しかったです!」
俺はクスクス笑いながらいう。
「笑ってんな!!」
窓から手を伸ばして、俺の髪をグシャグシャにする。
:08/02/26 01:07 :D704i :☆☆☆
#321 [氷雨]
「ああ!もう…すぐこういう事するー…」
髪って意外と時間かかるんですよ?セットするの……
俺は髪を直しながらブツブツ呟く。
「ははは!笑った罰だ!んじゃあー恋、頑張れよ」
そういい残すと車を発車させて、すぐに見えなくなった。
:08/02/26 01:11 :D704i :☆☆☆
#322 [氷雨]
「う゛……忘れようとしてたのに……」
そう呟くと家へと回れ右して戸を開けた。
「ただいま〜〜…」
あれ?誰の返事もない…?
なんだか不安になってリビングの戸を勢い良く開ける。
リビングにも誰もいない。明かりはついてるのに…
:08/02/27 01:03 :D704i :☆☆☆
#323 [氷雨]
節電しろよ!!
そんな[主婦か!]というツッコミが入りそうなボケを頭の中でかましながら、周りを見渡す。
本当に誰もいない……。
ん?机に置き手紙発見!!
【陽ー!おかえりー!!ずっと待ってたのに遅いから、置いていっちゃいます!私たち3人は寿司屋へ行ってきますね。帰りは遅くなります。留守番よろしく。グッナイ】
:08/02/27 01:10 :D704i :☆☆☆
#324 [氷雨]
グッナイて……。
少し呆れながら呟く。
ん?待て!?寿司屋?
頭を巡らし、3秒後に陽は叫ぶ。
「寿司屋って俺の大好きな寿司屋【寿司】!?」
【寿司】とは寿司屋さんの名前である。
:08/02/27 01:13 :D704i :☆☆☆
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