僕⇒俺
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#429 [氷雨]
「けど……、俺…北原さんを利用してる…」


また違う痛みが陽を襲った。

利用なんてダメだ…


けれど、それ以上に心を傷んでいた。


『私は……陽君が隣にいるだけで幸せだと思うの…。側にいさせてください』

泣きそうに震える声で北原さんは言った。

⏰:08/03/29 20:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#430 [氷雨]
「俺でいいの?」


気づいた時にはそう言ってしまっていた。


すぐに

『陽君がいいの!!』


そう明るく嬉しそうな声が聞こえた。

⏰:08/03/29 20:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#431 [氷雨]
 
 
 
 
 
 
俺は最低な事をした。


気持ちを安易に考えたんだ。


俺は何も考えないで傷つけた。

⏰:08/03/29 20:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#432 [氷雨]
―――――――………


「陽兄ーーー!!起きろい!」

耳が張り裂けるように響いた声に俺は布団を蹴り上げた。


三依はけらけら笑い言う。


「へっへーー今日は私の勝ちーーー!!」


三依が先に起きている事なんて今の今まであっただろうか。

⏰:08/03/29 20:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#433 [氷雨]
「ほんとに………?」


俺は愕然とけらけら笑う三依を見上げた。


三依は偉そうに俺を見て、「やーーい、寝坊助」と笑った。



少しムカッときたけれど、三依らしいな、と俺は微笑んだ。

⏰:08/03/29 20:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#434 [氷雨]
「それでねー…」


三依は自慢気に言うとリビングまで溜めた。


リビングに近付くと何か匂いがした。


「朝ご飯!作ってみた!!」

扉をバンっと開けると、少しだけ焦げくさい、けれど美味しそうな匂いが鼻に届く。

⏰:08/03/29 21:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#435 [氷雨]
「ええぇえぇぇええーー!?」

俺は三依と立派な朝ご飯を交互に見て声をあげた。



三依はえっへんと鼻をこすり照れている。


「な、…………何かあったの………?」


そう普通に自然と声になる。

⏰:08/03/29 21:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#436 [氷雨]
「いや………んーー、陽兄…の初カノ祝いというか」


三依がもごもごと詰まりながら言った。


俺は嬉しいような痛いような感じを心に受けながら、「ありがとう」と極上の笑顔で答えた。

三依の朝ご飯は普通に美味しかった。

「美味しい」と言うと三依は本当に嬉しそうに笑顔で「ありがとう」と言った。

⏰:08/03/29 21:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#437 [氷雨]
学校への道を歩く。


「彼女かぁ………」


初めてなんだけどな……


俺は急に不安になり、頭痛がした。

一瞬……《葉山さんに相談》と頭によぎる。


最低だ。俺はダサい《のび太》のままだ。

⏰:08/03/29 21:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#438 [氷雨]
あれ?


そういえば…どうして三依、知ってたんだ?


少し俺は悩んだけれど、薄い壁のせいだと決めつけて、学校への道を急いだ。


―――――――………


学校はいつもと同じでザワザワとみんなの話し声が響いてる。

⏰:08/03/31 12:15 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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