僕⇒俺
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#432 [氷雨]
―――――――………


「陽兄ーーー!!起きろい!」

耳が張り裂けるように響いた声に俺は布団を蹴り上げた。


三依はけらけら笑い言う。


「へっへーー今日は私の勝ちーーー!!」


三依が先に起きている事なんて今の今まであっただろうか。

⏰:08/03/29 20:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#433 [氷雨]
「ほんとに………?」


俺は愕然とけらけら笑う三依を見上げた。


三依は偉そうに俺を見て、「やーーい、寝坊助」と笑った。



少しムカッときたけれど、三依らしいな、と俺は微笑んだ。

⏰:08/03/29 20:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#434 [氷雨]
「それでねー…」


三依は自慢気に言うとリビングまで溜めた。


リビングに近付くと何か匂いがした。


「朝ご飯!作ってみた!!」

扉をバンっと開けると、少しだけ焦げくさい、けれど美味しそうな匂いが鼻に届く。

⏰:08/03/29 21:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#435 [氷雨]
「ええぇえぇぇええーー!?」

俺は三依と立派な朝ご飯を交互に見て声をあげた。



三依はえっへんと鼻をこすり照れている。


「な、…………何かあったの………?」


そう普通に自然と声になる。

⏰:08/03/29 21:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#436 [氷雨]
「いや………んーー、陽兄…の初カノ祝いというか」


三依がもごもごと詰まりながら言った。


俺は嬉しいような痛いような感じを心に受けながら、「ありがとう」と極上の笑顔で答えた。

三依の朝ご飯は普通に美味しかった。

「美味しい」と言うと三依は本当に嬉しそうに笑顔で「ありがとう」と言った。

⏰:08/03/29 21:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#437 [氷雨]
学校への道を歩く。


「彼女かぁ………」


初めてなんだけどな……


俺は急に不安になり、頭痛がした。

一瞬……《葉山さんに相談》と頭によぎる。


最低だ。俺はダサい《のび太》のままだ。

⏰:08/03/29 21:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#438 [氷雨]
あれ?


そういえば…どうして三依、知ってたんだ?


少し俺は悩んだけれど、薄い壁のせいだと決めつけて、学校への道を急いだ。


―――――――………


学校はいつもと同じでザワザワとみんなの話し声が響いてる。

⏰:08/03/31 12:15 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#439 [氷雨]
「それでさーー!昨日の芸人でさ!!」


隣で小宮は大好きな芸人について語っているし、高槻は飽き飽きしながらも聞いてあげてる。

俺はそんな中、まだ姿を見せない葉山さんを心配してた。



もう……俺には関係ない人なのに……

⏰:08/03/31 12:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#440 [氷雨]
ずっと扉を見ていると、携帯が震えた。


画面には【北原 愛美】と出ていた。


―――From 北原 愛美―――
今日学校終わったら陽君の学校まで行くね

――――――――――――――

俺の彼女か…………

初めての彼女……

⏰:08/03/31 12:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#441 [氷雨]
メールを見ながら呟いた。


そして、返事を送る。

――――To 北原 愛美――――

いいよ俺が北原さん迎えに行く
ごめんね、気を使わせて

――――――――――――――

少しは彼氏らしい文になってるかな?

そんな事を思いながら俺は【送信】を押した。

⏰:08/03/31 12:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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