僕⇒俺
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#461 [氷雨]
「葉山さん…?」
顔を覗き込むとより真っ赤になっていた。
肩も震えていて…
「大じょう………っ!」
心配していると急に顔を上げて言った。
「私!!私!!!陽の事がずっと、ずっと…………」
〜♪♪〜〜〜♪〜♪〜
:08/04/03 21:34 :D704i :☆☆☆
#462 [氷雨]
タイミングよく携帯が鳴る。
メールだった。
――― From 北原 愛美 ―――
学校終わったよ
待ってるね
――――――――――――――
北原さんの学校は近いけれど、10分はかかる。
けれど、葉山さんの言葉の続きを聞きたい。そう思った。
:08/04/03 21:44 :D704i :☆☆☆
#463 [氷雨]
何を言おうとした?
もしかして…?
鈍感らしい俺にもわかるようなシチュエーションと言葉。
1つ光の道が見えて消えた。
俺には彼女がいる、それに小宮の好きな人。
葉山さんはダメなんだ…
心がズキッと傷んだ。
:08/04/06 12:26 :D704i :☆☆☆
#464 [氷雨]
「ごめん…葉山さん、俺、行かなくちゃ」
鞄を掴んで葉山さんに、にっこりと笑って、「さよなら」と言った。
色々な気持ちを込めて。
葉山さんは泣きそうな顔をしてた。
俺もたぶん泣きそうな顔をしてると思う。
こんな葉山さんを初めて見た。
:08/04/06 12:32 :D704i :☆☆☆
#465 [氷雨]
唇をぐっと噛みしめて、また小さく聞こえないくらいの声で、
「さよなら」
震える声で言い、北原さんの元へ急いだ。
「陽君!!」
北原さんは可愛く首にマフラーを巻いて、白い息をはきながら掛けて来る。
:08/04/06 12:37 :D704i :☆☆☆
#466 [氷雨]
ちょこちょこと小さくて、俺はにっこり笑った。
「ごめんね?待たせたよね?」
俺はごめんのポーズをして、謝る。
俺が迎えに来た時間はメールがきてから40分はたっていた。
「んーーー、大丈夫だよ?友達とお話してたから。ほら!三依!!」
:08/04/06 12:42 :D704i :☆☆☆
#467 [氷雨]
北原さんは友達の名前を呼ぶと手を振った。
「愛美!なーーーに?あ、もしかして、その人が愛…し…の…………………………、陽兄!!?」
目の前にいる、俺の彼女の友達はよく知った子で、今日も昨日もこの17年間一緒に暮らしている子でした。
俺はサーと血が引くのを聞いたような気がした。
:08/04/06 12:50 :D704i :☆☆☆
#468 [氷雨]
「三……依………」
俺は無意識に妹の名前を呼んだ。
北原さんは俺と三依の顔を交互に見て言った。
「似てるーーー!!」
なんだか嬉しそうに手を叩いた。
三依は俺、はははっと笑った。
:08/04/06 13:00 :D704i :☆☆☆
#469 [氷雨]
「愛美らしい。陽兄が愛美の愛しの君だったんだ」
三依は納得したように優しく北原さんに笑うと、くしゃくしゃと頭を撫でた。
北原さんも三依ににっこり笑うと、嬉しそうに俺を見た。
「陽兄、愛美さ……、女子高なのに他の学校の奴らから、スッゴいモテての、守ってあげてね」
ニっと笑うと、耳元に一言残して帰って行った。
:08/04/06 13:08 :D704i :☆☆☆
#470 [氷雨]
「あーーー…、どっか行こっか?」
最初に声をかけたのは、俺だった。
北原さんは嬉しそうに返事すると、歩き出した。
足は自然と街の方へ向かい、カップルの定番デートスポットについていた。
「ここ……」
俺は最初を思い出していた。
:08/04/06 13:14 :D704i :☆☆☆
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