僕⇒俺
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#462 [氷雨]
タイミングよく携帯が鳴る。

メールだった。

――― From 北原 愛美 ―――

学校終わったよ
待ってるね

――――――――――――――

北原さんの学校は近いけれど、10分はかかる。


けれど、葉山さんの言葉の続きを聞きたい。そう思った。

⏰:08/04/03 21:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#463 [氷雨]
何を言おうとした?


もしかして…?


鈍感らしい俺にもわかるようなシチュエーションと言葉。


1つ光の道が見えて消えた。

俺には彼女がいる、それに小宮の好きな人。

葉山さんはダメなんだ…

心がズキッと傷んだ。

⏰:08/04/06 12:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#464 [氷雨]
「ごめん…葉山さん、俺、行かなくちゃ」


鞄を掴んで葉山さんに、にっこりと笑って、「さよなら」と言った。


色々な気持ちを込めて。

葉山さんは泣きそうな顔をしてた。

俺もたぶん泣きそうな顔をしてると思う。

こんな葉山さんを初めて見た。

⏰:08/04/06 12:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#465 [氷雨]
唇をぐっと噛みしめて、また小さく聞こえないくらいの声で、
「さよなら」

震える声で言い、北原さんの元へ急いだ。







「陽君!!」

北原さんは可愛く首にマフラーを巻いて、白い息をはきながら掛けて来る。

⏰:08/04/06 12:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#466 [氷雨]
ちょこちょこと小さくて、俺はにっこり笑った。


「ごめんね?待たせたよね?」

俺はごめんのポーズをして、謝る。

俺が迎えに来た時間はメールがきてから40分はたっていた。

「んーーー、大丈夫だよ?友達とお話してたから。ほら!三依!!」

⏰:08/04/06 12:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#467 [氷雨]
北原さんは友達の名前を呼ぶと手を振った。


「愛美!なーーーに?あ、もしかして、その人が愛…し…の…………………………、陽兄!!?」


目の前にいる、俺の彼女の友達はよく知った子で、今日も昨日もこの17年間一緒に暮らしている子でした。

俺はサーと血が引くのを聞いたような気がした。

⏰:08/04/06 12:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#468 [氷雨]
「三……依………」


俺は無意識に妹の名前を呼んだ。


北原さんは俺と三依の顔を交互に見て言った。


「似てるーーー!!」

なんだか嬉しそうに手を叩いた。

三依は俺、はははっと笑った。

⏰:08/04/06 13:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#469 [氷雨]
「愛美らしい。陽兄が愛美の愛しの君だったんだ」


三依は納得したように優しく北原さんに笑うと、くしゃくしゃと頭を撫でた。


北原さんも三依ににっこり笑うと、嬉しそうに俺を見た。


「陽兄、愛美さ……、女子高なのに他の学校の奴らから、スッゴいモテての、守ってあげてね」

ニっと笑うと、耳元に一言残して帰って行った。

⏰:08/04/06 13:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#470 [氷雨]
「あーーー…、どっか行こっか?」


最初に声をかけたのは、俺だった。

北原さんは嬉しそうに返事すると、歩き出した。

足は自然と街の方へ向かい、カップルの定番デートスポットについていた。

「ここ……」

俺は最初を思い出していた。

⏰:08/04/06 13:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#471 [氷雨]
―ATTRACTIVE―の和樹さんや雅さんのお店や多くのオシャレなお店があり、若者の集まる大きなビル。


初めて葉山さんとデートをした所。


【デート】と呼んでもいいのかという程、主旨は違っていたけれど。


「陽君………、あの、ね。手つないでもいい?」

⏰:08/04/06 13:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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