僕⇒俺
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#475 [氷雨]
北原さんは少し涙目になっていてギョッとして、焦った。
なんで…?
ハテナが頭を渦巻いてる。
やっと北原さんは口を開いてくれた。
「ちょっと嫉妬と……自信が………、私でいいのかな?って…………」
今まで見た事ないような、胸がギュッと掴まれたような笑顔だった。
:08/04/06 17:45 :D704i :☆☆☆
#476 [氷雨]
よく周りを見たら、俺と北原さんをジッと見る人や、「なんで?あんな子が…?」なんで罵声も飛んでいて。
俺は雑誌で少し有名になっていた事を忘れていた。
『愛美を守ってあげてね』
三依の言葉が頭をめぐる。
俺は北原さんを守らないと、
そう思った。
:08/04/06 17:49 :D704i :☆☆☆
#477 [氷雨]
「北原さん、大丈夫だよ。俺が守るから、北原さんは可愛いよ」
俺は北原さんに優しく語りかけた。
北原さんは真っ赤になり「嬉しい」と言って涙を流した。
俺はそれな慌ててハンカチを北原さんに渡す。
:08/04/06 17:53 :D704i :☆☆☆
#478 [氷雨]
数分して北原さんは少しだけ赤い目でにっこり笑った。
「もう大丈夫。ハンカチ洗って返すね」
北原さんは本当に可愛い。
けど…………………
まだ【好き】が言えない。
:08/04/06 17:56 :D704i :☆☆☆
#479 [氷雨]
「おっ!陽?」
聞いた事ある声が聞こえた。
それはついこの間、葉山さんの事を相談した人だった。
「雅…さん……」
俺の気持ちを知っている。
雅さんを見た瞬間に『逃げたのか?』そう言われたみたいだった。
:08/04/06 21:01 :D704i :☆☆☆
#480 [氷雨]
「何してんだ?妹………?」
雅さんは北原さんを凝視している。
北原さんは怖そうに俺の影に隠れた。
俺は決心して口を開く。
「お……俺の彼女」
声が震える。
:08/04/07 11:59 :D704i :☆☆☆
#481 [氷雨]
「え…………?」
雅さんの声は明らかに怒っていた。
俺は北原さんの手をギュッと握ると、
「すみません、今、デート中なんで……」
雅さんに一礼して、俺はまた【逃げた】
「ちょっ!陽!!!」
:08/04/07 12:03 :D704i :☆☆☆
#482 [氷雨]
雅さんが後ろで叫んでいたけれど、俺は振り返る事なく、突き進んだ。
北原さんの手を優しく握って。
しばらく、歩くと俺は止まって振り向いた。
「ごめん、あの人すごくいい人なんだけど…」
そこまで言うと北原さんは微笑んだ。
「うん。陽君の事、すごく心配している人の目だった。いい人だって、わかるよ」
:08/04/07 12:07 :D704i :☆☆☆
#483 [氷雨]
北原さんの言葉を聞いたら涙が出そうになった。
優しい雅さんを裏切った?
そう思ってしまった。
北原さんは不思議そうに俺に聞いた。
「けど…、どうして怒ってたの?」
:08/04/07 12:09 :D704i :☆☆☆
#484 [氷雨]
「それは……、わからない」
本当は知っている。
俺が【逃げた】から。自分の気持ちから。
けど…、どうしたらよかった?
俺は葉山さんがあの時、俺の事をそういう対象でないと思ってた。
:08/04/07 18:05 :D704i :☆☆☆
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