僕⇒俺
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#525 [氷雨]
「あんなの言い訳だった。口から出任せ…」


葉山さんは悲しそうに言う。

「言…い訳……?」

俺も葉山さんから出た言葉を繰り返した。


「うん、クラス換えがあって3日後から私と陽が初めて話した時まで…」


葉山さんは途切れ途切れに涙が流れないように言葉を絞り出す。

⏰:08/04/16 23:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#526 [氷雨]
 
 
 
 
 
葉山さんはにっこりと笑った。


そして、こう言った。




「話した事もない陽が好きだった」

⏰:08/04/16 23:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#527 [氷雨]
予想もしていない言葉だった。

ただ、頭は真っ白で、葉山さんのさっきの言葉がまわる。


言葉もでないくらいに思考は停止している。


「陽?本当…なんだよ?」

⏰:08/04/17 23:55 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#528 [氷雨]
悲しそうに呟く。

俺…………、


俺は……………、


そう思うけど、続きが言えない。

言葉にしようとしてもハッキリと口にできない。


『陽の気持ちを!!』

確か、孝裕さんが言っていた。

俺の気持ち。

⏰:08/04/18 00:02 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#529 [氷雨]
『葉山さんが好きだ…』


けど……、


『俺には北原さんが…』








北原さんを裏切れない。

⏰:08/04/18 00:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#530 [氷雨]
「ごめんなさい…、俺…答えらんない」


口にしたくなかった。

口にしたら、もう終わってしまうような気がしたから。


けど、もう言葉にしてしまった。


葉山さんをまた見れない。

⏰:08/04/18 08:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#531 [氷雨]
俺は黙ったまま、逃げ出したくなった。


「うん……、知ってる。困らせてごめんね?陽」


葉山さんの笑いの少し混ざった声が聞こえた。


顔を見ると無理矢理の笑顔で笑ってる。


ツキンと胸に響く。

⏰:08/04/18 08:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#532 [氷雨]
「いえ………」


そう言うしかできなかった。



俺は好きな人を傷つけた。







今日は木曜、雅さんに怒られるだろな。

俺は胸をグッと握りしめた。

⏰:08/04/18 08:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#533 [氷雨]
 
 
 
『陽か…?』


電話の声の主は俺にそう聞いた。

「…はい、どうしたんですか?」


分かってるけど、尋ねる。


電話の声は少し怒っているように、溜め息をついた。

その溜め息にも胸はツキンと痛む。

⏰:08/04/18 13:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#534 [氷雨]
『話がある、撮影時間の1時間前に集合な』


その声には心配の声も含まれていた。


【話】が何かなんて分かってるけど…


俺は言った。

「わかりました、じゃあすぐに行きますね」

⏰:08/04/18 13:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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