僕⇒俺
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#735 [氷雨]
反射的にさっきまで見ていた部屋を見上げる。
そこには不思議顔の葉山さんがいた。
カーテンから可愛らしく俺を覗いて手を振っている。
手を振り返し携帯の通話ボタンを押した。
『陽?どうしたの?』
一言目は当然それ。
:08/07/03 08:26 :D704i :☆☆☆
#736 [氷雨]
葉山さんの声を聞き、緊張感は一気に静まった。
「葉山さん、俺、葉山さんに伝えないといけない事があるんです」
勇気も何も要らなく自然と出た言葉だった。
気持ちは穏やかで、そう言いにっこりと窓越しの葉山さんに笑いかけた。
けれど、『うん、分かった。じゃあ、下りるね』葉山さんの声は小さく暗かった。
:08/07/03 08:35 :D704i :☆☆☆
#737 [氷雨]
思わず頭にはハテナが浮かぶ。
なんで………?
その時は全く分からなく首を傾げるだけで葉山さんを待った。
暫くして葉山さんは玄関を元気よく開ける。
「おまたせっ、ごめんね」
:08/07/03 08:40 :D704i :☆☆☆
#738 [氷雨]
何故か凄く可愛くて、何処かに出掛けるのかおしゃれしていた。
「すみませんっ、何処か出掛けるんだったんですか?」
タイミング悪すぎだ………
申し訳ない気持ちになり、つい謝ってしまう。
けれど、俺とは反対に葉山さんは頬を赤らめている。
「…………っ、好きな人の前だから………」
:08/07/03 08:44 :D704i :☆☆☆
#739 [氷雨]
最後の言葉は小さくて上手く聞き取れなかったけれど、判断できた。
「……………っ!」
一気に顔だけでなく体まで赤くなったような感覚になる。
2人して、真っ赤になり下を向いて沈黙が流れた。
「あのっ…………」
:08/07/03 08:51 :D704i :☆☆☆
#740 [氷雨]
勇気を出し、顔を上げた。
俺の声を聞くと葉山さんも顔を上げて目が合う。
緊張が走る。
けれど、拳をギュッと握り締め決意を決めた。
「俺は…………っ」
「無理しなくていいよ」
:08/07/03 13:35 :D704i :☆☆☆
#741 [氷雨]
「……………えっ?」
意味が分からなかった。
葉山さんはにっこりと泣きそうな笑顔で笑っている。
突然の静止にどうしたら良いのかも分からずにポカンとしていた。
どういう意味?どうして泣いてるんですか?
:08/07/03 13:38 :D704i :☆☆☆
#742 [氷雨]
泣いてるのは心だけど、今にも涙が頬が伝いそうな、そんな淋しい笑顔。
「謝るだけなら、そんな優しさは要らないよ?」
……………………?
やっぱり葉山さんの言っている事が全くさっぱり分からない。
俺はいつまでも不思議顔のまま葉山さんを見つめる。
:08/07/03 13:42 :D704i :☆☆☆
#743 [氷雨]
「あの子と上手くいってるなら、私はそれで………」
─あの子…─
そう聞いて話はピースがはまったかのように理解できた。
「違うっ!!」
葉山さんの言葉を遮って叫んだ。
俺の大きな声に葉山さんはビクリと肩を震わす。
:08/07/03 13:46 :D704i :☆☆☆
#744 [しゅん]
あげ
:08/07/06 11:49 :P904i :☆☆☆
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