僕⇒俺
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#762 [氷雨]
ついこの前、初めて話をして、買い物をして、手を繋いで、キスをして、喧嘩して、すれ違って。
この間の短い期間の事なのに俺の人生はこの為にあったんじゃないかと思うくらいに大切な思い出。
振られたとしても色褪せる事無く、胸には深く残ると思う。
葉山さんはまたも俺の言葉に目を見開いて驚いていた。
:08/08/06 08:49 :D704i :☆☆☆
#763 [氷雨]
こんなに表情が豊かな人なのに、どうして俺は気付かなかったんだろう。
ねえ、葉山さん。
「俺はこれからも葉山さんと一緒に居たいんだ。初めはびっくりしたけどさ…、あの時は押し倒してくれてありがとう」
「なっ!あの…時…っは、接点作る……のに必死で………っ」
驚き過ぎて固まっている葉山さんに悪戯っぽく伝えると葉山さんは真っ赤になって頬を隠す。
:08/08/06 08:55 :D704i :☆☆☆
#764 [氷雨]
そう素直に自分の言葉を伝える事が出来る葉山さんが好きだ。
照れて真っ赤になるのを必死に隠す葉山さんが好きだ。
伝えた後は想いが溢れて止まる事を知らない。
「好きだ」
その想いは不思議なくらいに自然と言葉になっていた。
:08/08/06 09:00 :D704i :☆☆☆
#765 [氷雨]
瞬間、葉山さんの瞳から一粒の涙が零れた。
「え…………?どうしたんですか!?」
俺はあたふたとどうしたのかと顔を覗く。
瞳は涙で潤んでいて綺麗だった。
けれど、感動している場合では無く、やっぱりあたふたとしてしまう。
:08/08/06 09:12 :D704i :☆☆☆
#766 [氷雨]
「ね……、陽?」
葉山さんは涙いっぱいの瞳で俺を見上げる。
さらりと流れる髪は綺麗で愛しい。
「ん?何ですか?」
葉山さんは笑っていた。
涙をたくさん溜めて笑っていた。
「あのね、美咲って呼んで」
「……………え?」
:08/08/06 09:18 :D704i :☆☆☆
#767 [氷雨]
あたふたとしていた俺は葉山さんの言葉でどこかへ飛んでいき、代わりに思考がフル回転しだす。
突然のお願いに告白した時よりも緊張が走る。
いつの間にか考えるように上を向いていた瞳を意味が分かると参ったと云う風に手のひらで覆う。
照れて葉山さんを見れない。
:08/08/06 09:24 :D704i :☆☆☆
#768 [氷雨]
覚悟を決めているとクスクスと笑い声が耳に届く。
手を離し視線を葉山さんへ向ける。
「何、笑ってるんですか?」
何が可笑しかったのか皆目見当もつかなくて首を傾げる。
それでも笑い続ける葉山さん。
「いつもの陽だ」
:08/08/06 09:43 :D704i :☆☆☆
#769 [氷雨]
そう嬉しそうに笑い混じりで葉山さんは呟いた。
「いつもの俺……?」
その言葉にさらに首を傾げる。
俺はいつも、いつも通りだったはずなんだけどな。
そう心で呟いた。
すると……
:08/08/06 09:47 :D704i :☆☆☆
#770 [氷雨]
「さっきの陽は格好良すぎる……」
頬を隠しながら葉山さんは今までに無いくらい小さな声で呟いた。
けれど、奇跡的に聞き取ると一気に赤くなる感覚を覚えた。
端から見れば¨変な子たち¨に認定されるだろうと思うくらいに真っ赤な2人。
暫く真っ赤でいると同時に笑いが込み上げた。
:08/08/06 09:52 :D704i :☆☆☆
#771 [氷雨]
「変なの……っ」
「うん、なんだか変ですね」
笑顔で微笑み合った。
この時間が楽しくて久しぶりの心からの満面の笑みだった。
「陽?あのね……」
「うん」
やっぱり照れた様に下を向き顔を隠す仕草は凄く可愛くて愛しかった。
:08/08/06 12:17 :D704i :☆☆☆
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