危ナイ兄弟愛ノカタチ:)BL
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#839 [東脂ヤ転
「鳴、ちゃんと俺を見て」
何も言えなくて俯く俺に、静兄は穏やかな声で話し掛ける。この声に俺が逆らえないのを知っているからだろう。あまりに優しい声色だから思わず泣きついてしまいたい衝動に駆られそうだった。
「静兄…俺……」
でも、
「鳴、何してんの?」
出来るわけなかった。
:12/01/10 17:36
:W64S
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#840 [東脂ヤ転
「メールの返事はくれたのにさぁ…出てくるの遅いっての」
後ろから聞こえているのは聞き慣れた声なのに、自分の身体が言うことを利かなくて怖い。まるで身体中の血の気が引いていくような感覚に苦しくなる。
せっかく静兄が閉めてくれたドアに鍵は掛かっていなかったのだろう。さっきまで俺が握っていたドアノブに、今は北原の手が重ねられていた。
「……君は…確か、」
張り詰めた空気の中で先に口を開いたのは、静兄。
「“初めまして”じゃないですよ?」
そして、静兄の言葉に返答したのは、何故か可笑し気に笑っている北原だった。
:12/01/17 16:35
:W64S
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#841 [東脂ヤ転
「北原直樹って言います。鳴と同じクラスなんで、参観日の時に俺のこと見ませんでした?」
淡々と、不自然な程落ち着いた声で話す北原の方を見ると、何を思っているのか読み取れないような笑みを浮かべている。
「……あぁ、思い出したよ。北原っていう名前だったんだね」
そんな北原とは反対に静兄の声は俺でも分かるくらい、静かな怒りに満ちていた。
1番怒らせたくない人を怒らせてしまった。小さな罪悪感は徐々に膨らんで、俺の全てを呑み込んでいくような感覚になる。
そして右手は北原に、左手は静兄に握られた状態のまま俺はどうすることも出来なくて、ただただ床を見つめていた。
:12/01/17 17:13
:W64S
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