･･万華鏡･･

ここでは様々な恋のお話を書こうと思います((∀･!

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果樹の感想板

「誰だっけ？顔は見た事あんだけどなー」

「いいよ思い出さなくて。めんどくせぇし」

「えーでも結構可愛い子だぜ？」

「興味ねぇ。俺帰って寝るわ」
チャイムが鳴り終わってかばんを持つ

「来た意味ねぇな」

「まぁな。」

「あっ今度バイク貸せ」

「無理に決まってんだろ」

「何でだよ」

「お前に貸してもいいことねぇから」

健太がバイクを貸してくれって言うときはだいたい…ろくなことがない

「ちょっと走りてぇんだよ」

ほらな

健太の走るは暴走すんのと同じぐらいスピードが出る

前に貸してボロボロになって返ってきた

まあ当然一発殴って修理代貰ったけど

「何回も言うけど自分勝手ので走りゃいいだろ」

「俺のじゃ気分がのらねぇの。祥のは渋いかんなー」

「とりあえず却下」

文句を言う健太を置いて教室を出る

帰りも…あの道で帰るか

近道だから
なんて本当は言い訳かもしれない

少しだけあの女に会えるかもって期待がある

俺は速めにバイクを走らせた

朝見かけた大きい屋敷

行きは気付かなかったけどこの屋敷の横には丘がある

「でけぇなー」

屋敷を見て改めて思う

丘も負けないぐらい高い

何故か丘にすっげー登ってみたくなってバイクを降りた

登ってみると意外と暑くて

すぐ降りた

まぁ景色はいいんだけどな

一人暮らしはたまに嫌になる

かと言って女も呼びたくもないし

健太ぐらいしか来ねぇな

時計を見ると９時

そろそろ腹減ったし…コンビニでも行くか

俺は財布と携帯を持って家を出た

「ありがとうごさいました」

ウィーン

コンビニから出ると知らない女に声をかけられた

「祥じゃん！」

誰だよこいつ

「あ？誰」

「ひっどーい。ねぇ遊ばない？」

絡まりついてくる腕

「うぜぇよお前」

ぎゃあぎゃあ言う女を振り払う

お、こっからでもあの丘見えるのか

「あれ…あいつ」

間違いない

あの女だ

俺はその丘に向かった

あいつは座って空を見ていて

俺は後ろで横に行っていいのか迷った

「そんなとこいないでこっち来なよ」

あいつの言葉に少し驚いた

「あぁ、気付いてたんや」

「まぁね」

「何で君こんなとこ来たの」

あいつは俺に視線をうつすことなく言う

「たまたまに決まってんだろ」

「何それ」

「お前は？」

「ん？」

「お前は何してんの？」

「見てんの」

「何を」

「見て分かるでしょ。空だよ」

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