*恋色ラプソディ*
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#1 [みい] 08/07/01 00:57
#11 [みい]
私の頬に伝った涙を拭う。
「……っ!!」
「ええよ?僕、なんでも聞いたるから。」
汰紀のその言葉に、私は関を切ったように話し始めた。
「昨日っ…ねっ…」
「うん」
「…先輩に…振られたっ…」
「………そっ、か」
:08/07/01 01:17 :SH905i :hXEia10M
#12 [みい]
2年も付き合ってた。来月の私の誕生日だって、一緒に祝おうね、って言ってくれた。
なのに。『好きな子が出来た』。こんな一言だけ残して、先輩は私を置いていってしまった。
「好きだったのっ…!私、先輩のことっ、すごく…」
「うん、知っとる。」
「今も好きなのっ!忘れようとしても、できない…っ」
「そやな。」
:08/07/01 01:20 :SH905i :hXEia10M
#13 [みい]
こんな事、汰紀の前で言いたくなかった。こんな姿、汰紀に見せたくなかった。
昔からいつだって、泣いてる汰紀を慰めるのが私の役目で。
私は泣き顔を見られたくなくて、必死に涙が流れるのを堪えた。後にも先にも、汰紀の前で涙を流すのはさっきの一回きりにしたかった。
それなのに、我慢に震える私を、急に温かいものが包んだ。
:08/07/01 01:22 :SH905i :hXEia10M
#14 [みい]
「泣いてもええんやで?」
私の頭上から、汰紀のくぐもった声が聞こえる。
「僕、見てへんから…。せやから、泣き?」
ああ、と思った。これが汰紀の優しさなんだ、と。
私は汰紀の胸に顔を押し付けて思いっきり泣きじゃくった。
その間、汰紀は何も言わずに、ただずっと背中をさすってくれていた。
:08/07/01 01:23 :SH905i :hXEia10M
#15 [みい]
タンクトップの袖から伸びた、少し汗ばむ筋肉質の腕が背中に回されているのを感じて、汰紀もすっかり男の人になっていたんだなあ、なんて今頃気付いた。
「…ありがと。」
「はい、どういたしまして」
ひとしきり泣いたあと、小さく汰紀の胸を押すと、汰紀は微笑みながらゆっくり私から離れた。
「泣いたらスッキリした!!」
:08/07/01 01:25 :SH905i :hXEia10M
#16 [みい]
私は今日初めて、汰紀に笑顔を向ける。汰紀もそんな私を見て、また微笑んだ。
「昨日、一人で泣いてたん?」
「なっ!うるさいなあ!!汰紀には関係ないでしょ!?」
ずばり図星だった私は、つい一秒前の笑顔なんて遠くへ追いやって、汰紀の肩をバシバシと叩く。
でも、汰紀はそんな私にニコニコしながらこう言った。
「一人で泣くのはなしやよ?」
:08/07/01 01:28 :SH905i :hXEia10M
#17 [みい]
「へ?」
「一人で泣いたらあかんよってこと。泣きたなったら僕を呼びい?いつでも来たるさかい。」
そう言って、首を傾げて、分かった?って聞いてきて。
「よっ、余計なお世話だっ!!」
本当は、すごく、すっごく嬉しかったよ?心強かった。
照れ隠しに怒鳴ってみた。でも、汰紀には全部お見通しな気がする。だってその証拠に、ほら…また笑ってる。
:08/07/01 01:29 :SH905i :hXEia10M
#18 [みい]
「あーっ!早く新しい彼氏作ろっ!」
話題を変えるために、わざと声を大きくしてみた。
「…僕なんかどうでしょ?」
「笑えない冗談止めてよね。」
このあと、汰紀が苦笑いしながら「冗談ちゃうかってんけどな…」なんて頭をかいたことを、私は知らない。
ある暑い夏の日。ゆっくりだけど、少しずつ何かが変わりつつある、そんな二人。
♪
:08/07/01 01:31 :SH905i :hXEia10M
#19 [みい]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ある夏の日」終わりです
なんか、、、短すぎたorz
読んで下さった方、ご意
見ご感想、よろしければ
お願いしますっ(>Д<)
>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:08/07/01 01:36 :SH905i :hXEia10M
#20 [わをん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑(∩゚∀゚)∩age
:23/01/01 20:40 :Android :2rUS2lJ.
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