...虹色Romance
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#1 [Loki弥] 08/07/12 08:55
音楽に関しては無知な私が
音楽を題材に綴る創作小説
お目汚し失礼します(*;ω人)
#38 [Loki弥]
隠れて様子視るとか、そんな状況じゃなかった。
道の角を曲がった瞬間、京次郎と目が合った。
「あ、の…京じろ…」
「うわぁぁあっ!」
京次郎は驚いて、背負っていたものを隠そうとした。…いや、無理だよそんな大きいの。
…それって……ギターケース?
「…京次郎、バンドやってんの?」
:08/07/24 19:00 :SO903i :5THbKbSA
#39 [Loki弥]
聞くと、京次郎はうっと言葉に詰まる。が、すぐに諦めたように溜め息をついた。
「…えぇっと……」
言葉を繋げようとすると、突然誰かがドン!と京次郎の背中を叩いた。
「どーしたの京次郎」
「……沙耶…、いってぇな」
其処にいたのは、綺麗な女性。
:08/07/24 19:14 :SO903i :5THbKbSA
#40 [Loki弥]
彩音さんのようなおしとやかなイメージではない。少しツリ目でキツそうな顔立ちだが、それが綺麗さを引き立てている感じ。
「……弟サン?」
「ちっげえよ、ルームシェアしてる奴」
沙耶さんもギターケースを持っていた。ということはつまり、二人は同じバンドと考えた方がいいだろうか。
なんとなく、京次郎と雰囲気が似ている気がした。
:08/07/24 19:22 :SO903i :5THbKbSA
#41 [Loki弥]
「…もしかして、バンドしてるの隠してたの?」
「まあな…つかお前、今日バイトって言ってたじゃん」
「誰のせいだと思ってんだよ」
ぶっちゃけると、これは自分が一方的にしたことだ。だから京次郎に四の五の言える立場じゃない。…が、言わせてもらいたい時くらい、ある。
「……俺のせーなの?」
「そだよ、もう」
悪態をつく。
と、沙耶さんが笑った。
:08/07/24 19:37 :SO903i :5THbKbSA
#42 [Loki弥]
「仲良しなんだね、アンタら」
「「はぁあ?」」
思わず、二人してすっとんきょうな声が出た。
沙耶さんは続ける。
「アンタたちって兄弟みたいじゃん。あたしは姉貴と最近仲良く無いけど…いいなあって思って」
ああ、彩音さんのことを言ってるのか。
なんだか気まずい気がする。
:08/07/24 19:48 :SO903i :5THbKbSA
#43 [Loki弥]
「あー、こいつ彩音サンのこと知ってんぜ」
京次郎が言う。
沙耶さんは、ああ、と何か思いついたようだった。
「姉貴が言ってた男の子って、君のことだったんだ。ふーん、確かに京次郎より何倍も良い子そうだし…素直そうねぇ」
「…へ?」
「なんだよ、沙耶。俺じゃ不満なのかよ」
沙耶さんは冗談よ、と京次郎をバンバン叩いた。
:08/07/24 19:52 :SO903i :5THbKbSA
#44 [Loki弥]
それにしても、彩音さんは俺のこと何て言ってたんだろう。
…そうだ、彩音さんのことも聞いておかないと。
「あの、沙耶さん。…彩音さんは…」
「ん?ああ、君にも迷惑かけてるからね。…うちの姉貴、離婚してるの。その人が京次郎に似てて、嫌なんだって」
沙耶さんが、寂しそうに笑ったような気がした。
…なるほど、それで。
:08/07/24 19:58 :SO903i :5THbKbSA
#45 [Loki弥]
俺は思いっきり京次郎の方に振り向いた。
「なあ、お前は沙耶さん裏切ったりなんかしないよな!絶対幸せにするよな!」
「はっ…?ま、まあ…」
少し照れながら、京次郎は言う。
沙耶さんは目をパチパチさせた。
「じゃあいいじゃんか。京次郎はその人みたいにならないって俺が保証してやるよ!」
我ながら、無茶苦茶なことを言うと思う。
:08/07/24 23:01 :SO903i :5THbKbSA
#46 [Loki弥]
それに、俺に出来ることなのかもよく判らない。
俺はそれだけ言うと、思いっきりUターンした。
「ちょ、何処行くんだよ!」
「まあまあ、京次郎。ほっときなって」
「…沙耶………」
遠くなっていく俺の背中を見ながら、沙耶さんは京次郎の肩にぽん、と手を置いた。
「あの子、アンタのことちゃんと判ってくれてるみたいね」
:08/07/25 18:49 :SO903i :Y9mGPUc2
#47 [わをん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑
:23/01/01 20:40 :Android :2rUS2lJ.
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