月の裏側
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#144 [我輩は匿名である]
「好きだから触れたいし、話したいし、笑ってもらいたい。俺にとって百合ちゃんはそんな存在」

「好きって何かわかってるの?」

「好きって何?って聞かれたら俺は松本百合って答える」

百合は小さく笑った

⏰:08/08/12 18:48 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#145 [我輩は匿名である]
「信じて貰えないかも知れないけど俺この一週間、女と寝てない。ちゃんと断った」

「うん、知ってる」

「でも縁を切るとかはできなかった」

「うん、知ってる」

「もし百合ちゃんにふられたら相手がいなくなるから、って…またくだらねーこと考えてたんだ」

「自覚あんじゃん」

「気付いたのついさっきだけどね」

⏰:08/08/12 18:49 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#146 [我輩は匿名である]
上手く伝わらないかも知れない

だけど俺のできる限りの努力で今、伝えないといけないんだ

「今からさ、携帯メモリー消すから。ウチ来て」

「…うん」

「ちゃんと顔見て話すから、だから聞いて」

「いいよ」

⏰:08/08/12 18:49 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#147 [我輩は匿名である]
「俺、情けないこと言うかもしれないけど…嫌いになんないでね?」

質問には答えて貰えず、百合は何も言わずに電話を切った

どうして人間は伝えたい事ほど上手く伝えられないのだろう。

歯がゆくて仕方ない

⏰:08/08/12 18:50 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#148 [我輩は匿名である]
百合が来る間、考えた

決心できた

プライドすてた

情けも捨てた


俺は、百合が好きだから

百合のおかげで変われそうなんだから

勇気出せ、小心者ミナト

⏰:08/08/12 18:50 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#149 [我輩は匿名である]
・・・

「お邪魔します」

俺の部屋に初めて女性が入った

俺は今まで女を部屋に入れたことがない

あ、お袋は別としてね

⏰:08/08/12 18:51 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#150 [我輩は匿名である]
そんな場所に入れるって事は、百合は特別なんだ

「適当に座って」

だけど百合がそんな俺の掟を知るわけもなく、複雑そうな表情でベットに腰を下ろした

俺は隣に座ろうとしたが「やだ」と拒否されてしまったので、床に座って煙草に火をつけた

⏰:08/08/12 18:52 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#151 [我輩は匿名である]
「ごめん、煙草きらい?」

「ううん」

「これないと上手く話せない気がしてさ」

究極の苦笑い

偽スマイルを作れないほど、百合といると緊張してしまう

⏰:08/08/12 18:52 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#152 [我輩は匿名である]
百合がまず口を開いた

「どうしてヤリチンが嫌いか知りたい?」

「あ、うん」

耳にタコができるくらい、いつも言われてたもんな。

理由が知りてぇ

⏰:08/08/12 18:53 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#153 [我輩は匿名である]
「元彼が…そうだったの」

「元彼?」

「私に出会うまで浮気ばっかする人だった。でも私と付き合って考えが変わったって…百合だけだよって言ってくれてたの」

俺は黙って聞いた

⏰:08/08/12 18:53 📱:PC 🆔:taCV6dP.


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