月の裏側
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#225 [我輩は匿名である]
「…ンッ…ちょっとミナト」
百合から離れた唇。
「何?」
俺の右手は百合の両手で制御された。
左手があるけど…嫌がる姿も可愛いから、今日は意地悪しない。
:08/08/19 15:15
:PC
:3lPcSpSs
#226 [我輩は匿名である]
「焦りすぎだよ」
照れてる百合の手に、指を絡めた。
「したくない?」
「そうじゃないけど…」
あぁ、ムードが大事ってやつですか。
俺はムードよりも早く百合の可愛い姿が見たくて仕方ないですよ。
:08/08/19 15:15
:PC
:3lPcSpSs
#227 [我輩は匿名である]
「ごめん、ビックリさせちゃったね〜」
俺は百合の頭を撫でて、ベットにもたれた。
「私こそごめん」
謝るなよ、俺が抑制できなかったのが原因なのに。
百合が好きだから焦りすぎたけど、百合が好きだから我慢できる。
:08/08/19 15:16
:PC
:3lPcSpSs
#228 [我輩は匿名である]
テレビをつけながら、ベットの上でひたすら話をした。
笑える話、驚く話、怖い話…他愛もない会話が心地いい。
ふと窓から空を見上げた。
:08/08/19 15:16
:PC
:3lPcSpSs
#229 [我輩は匿名である]
「うぉっ!」
「どうしたの?」
窓の外を見て小さな叫びを発した俺に、百合の疑問の声が掛かる。
「百合も見てみ」
「空?」
チョコンと俺の隣に座り、窓の外を覗く彼女。
:08/08/19 15:17
:PC
:3lPcSpSs
#230 [我輩は匿名である]
「綺麗…」
空一杯に神様がバラまいた星が輝く。
月は痩せていたが、とても美しい形だった。
「夜空なんて普段見ないから、たまに見ると感動するな」
:08/08/19 15:17
:PC
:3lPcSpSs
#231 [我輩は匿名である]
今日、こうやって綺麗な夜空を発見できたのは、ただの偶然。
百合の顔を見つめすぎた俺の目を休めるために、たまたま空を見上げたんだ。
百合、空。
どっちも綺麗。
やべ。
ノロけすぎかな?
:08/08/19 15:18
:PC
:3lPcSpSs
#232 [我輩は匿名である]
「ミナトぉ〜」
「はぁい〜」
百合のゆっくりとした口調を真似して返事をすると、“マネしないで”と笑った。
窓越しに空を見上げたまま百合は言った。
:08/08/19 15:18
:PC
:3lPcSpSs
#233 [我輩は匿名である]
「この星たち、今キラキラ輝いてんじゃん?」
「うん」
「綺麗に光ってるよね?」
「そうだね」
「でもこの光は今、現在の光じゃないんだって」
百合の言ってる意味がわからなかった。
:08/08/19 15:19
:PC
:3lPcSpSs
#234 [我輩は匿名である]
頭の上にハテナマークが浮かんでいたのだろうか。
百合は笑った。
「地球と星って、超離れてんだって。だから光が届くのに何年も時間がかかるの」
「…んん」
生ぬるい返事。
百合は続けた。
:08/08/19 15:20
:PC
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