月の裏側
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#231 [我輩は匿名である]
今日、こうやって綺麗な夜空を発見できたのは、ただの偶然。
百合の顔を見つめすぎた俺の目を休めるために、たまたま空を見上げたんだ。
百合、空。
どっちも綺麗。
やべ。
ノロけすぎかな?
:08/08/19 15:18
:PC
:3lPcSpSs
#232 [我輩は匿名である]
「ミナトぉ〜」
「はぁい〜」
百合のゆっくりとした口調を真似して返事をすると、“マネしないで”と笑った。
窓越しに空を見上げたまま百合は言った。
:08/08/19 15:18
:PC
:3lPcSpSs
#233 [我輩は匿名である]
「この星たち、今キラキラ輝いてんじゃん?」
「うん」
「綺麗に光ってるよね?」
「そうだね」
「でもこの光は今、現在の光じゃないんだって」
百合の言ってる意味がわからなかった。
:08/08/19 15:19
:PC
:3lPcSpSs
#234 [我輩は匿名である]
頭の上にハテナマークが浮かんでいたのだろうか。
百合は笑った。
「地球と星って、超離れてんだって。だから光が届くのに何年も時間がかかるの」
「…んん」
生ぬるい返事。
百合は続けた。
:08/08/19 15:20
:PC
:3lPcSpSs
#235 [我輩は匿名である]
「この世界で1番速いのは光なの。だけどその光でさえ地球に届くまでに何年もかかるって事は…言ってる意味わかる?」
「地球と星はすんげぇ遠いって事?」
「正解」
テストで100点取るより、百合に“正解”と言われる事のほうが俺には幸せ。
:08/08/19 15:20
:PC
:3lPcSpSs
#236 [我輩は匿名である]
「確か、この今ひかってる光は1億年前の光」
「マジで?」
「1億年前に光った光が、今こうして私たちが見てるって、なんか凄いよね」
「ロマンチックぅ〜」
俺は百合に少し近づいた。
:08/08/19 15:21
:PC
:3lPcSpSs
#237 [我輩は匿名である]
「星と星同士も、すごく離れてるんだよ。こうやって見る限りじゃ、すっごく近くに見えるのにね」
「じゃあ俺たちがこうやって近くにいるのは星からすると羨ましい事なんだな」
俺は百合の肩を抱いた。
:08/08/19 15:21
:PC
:3lPcSpSs
#238 [我輩は匿名である]
「こういう時だけ調子いいんだから。変態」
百合は笑いながら俺の肩にもたれてきた。
「他になんか知らないの?」
「んー…じゃあ月の話ね」
「ネタ豊富だね百合ちゃん。なんでそんな知ってんの?」
:08/08/19 15:22
:PC
:3lPcSpSs
#239 [我輩は匿名である]
百合は澄ました声で言った。
「頭いいから」
ごもっとも。
どうして俺みたいな馬鹿の彼女なんだろう、と時々申し訳なく思う事もある。
それくらい俺らの知識の差は激しい。
:08/08/19 15:22
:PC
:3lPcSpSs
#240 [我輩は匿名である]
「月はね絶対裏側を見せないの」
「裏側?」
「地球が自転するから…ってミナトにはこの説明難しすぎるか」
「ジテンって何?自転車ならわかるけど」
ボケではなく、本気。
理科は特に嫌い。
:08/08/19 15:23
:PC
:3lPcSpSs
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