月の裏側
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#272 [我輩は匿名である]
「あー、はいはい。玄関持ってくから、ちょっと待って」
「早くして、寒いから」
そう言ってヨースケから一方的に電話が切れた
「どうしたの?」
百合は上半身を布団で隠しながら俺に問い掛けた。
:08/08/31 11:26
:PC
:ykHJeKFw
#273 [我輩は匿名である]
「幼なじみが家の前にいるって。貸してたCD取りに来たって」
「今?」
「ん、そう。ちょっと渡してくるわ。ごめん、待ってて」
CDを手に取り、百合に軽くキスをしてから玄関に向かった。
:08/08/31 11:26
:PC
:ykHJeKFw
#274 [我輩は匿名である]
ドアを開けると寒そうに震えていたヨースケがいた。
「遅ぇよ、バカ」
玄関の中に飛び込んできたヨースケは俺の頭を殴った。
「あー悪い悪い。わざわざ取りに来てもらって」
「ったくよー。まぁ俺も貸してた事忘れてたけどな。彼女に貸してって言われるまで」
:08/08/31 11:27
:PC
:ykHJeKFw
#275 [我輩は匿名である]
CDは俺の手から持ち主の手へと軽々しく移動した。
「あれ、彼女?」
ヨースケは玄関で行儀よく並んでたブーツを見て言った。
「うん」
「もしかして邪魔した?」
「うん」
嫌味たっぷりの返事。
ヨースケはスマンと言って笑っている。
:08/08/31 11:27
:PC
:ykHJeKFw
#276 [我輩は匿名である]
「なんか不思議だよな。ミナトが彼女なんてさー」
「もう1年半だぞ、すげーだろ」
「マジで?俺この1年で何回彼女変わったかな」
ヨウスケは他県の大学に通っている。
滅多に会えないけど良い幼なじみだ
:08/08/31 11:28
:PC
:ykHJeKFw
#277 [我輩は匿名である]
「ヨーちゃん最低〜」
「よく言うよ。ヤリチンのくせに」
「卒業したよ、今の彼女が俺の救世主様だわ」
「へぇ。今度彼女に会わせてよ」
「はいはい、そのうちな」
「そういえば名前は?美人ちゃんっていつも言ってたから名前知らないや」
:08/08/31 11:28
:PC
:ykHJeKFw
#278 [我輩は匿名である]
「あぁ、そうだっけ?」
「うん」
「百合ちゃんって言うの。心に刻んどけ、俺の女神の名前」
「…百合。ふーん。まぁ忘れなうなら覚えといてやるよ」
「何だそれ」
ヨースケはクルッと体を回転させて玄関のドアに手をやった。
:08/08/31 11:29
:PC
:ykHJeKFw
#279 [我輩は匿名である]
「じゃあまたな」
「ほーい」
別れはいつもアッサリしている俺ら。
ヨースケが玄関から出て行ったと同時に、俺の足は自分の部屋へと向かった。
:08/08/31 11:29
:PC
:ykHJeKFw
#280 [我輩は匿名である]
「お待たせ!」
お待たせのキスを長く長く交わした。
そのままさっきの続き。
焦らされた分、熱く優しいSEXだった。
:08/09/02 11:12
:PC
:cNhQLB8w
#281 [我輩は匿名である]
互いの欲望が満たされた後、下着だけ付けた俺らは布団の中で温もりあった。
肌にサラサラしたシーツが触れる。
体を寄り添わせればスベスベとした百合の肌に触れる。
こんなに安らげる時間、他にはない。
:08/09/02 11:12
:PC
:cNhQLB8w
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