月の裏側
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#147 [我輩は匿名である]
「俺、情けないこと言うかもしれないけど…嫌いになんないでね?」

質問には答えて貰えず、百合は何も言わずに電話を切った

どうして人間は伝えたい事ほど上手く伝えられないのだろう。

歯がゆくて仕方ない

⏰:08/08/12 18:50 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#148 [我輩は匿名である]
百合が来る間、考えた

決心できた

プライドすてた

情けも捨てた


俺は、百合が好きだから

百合のおかげで変われそうなんだから

勇気出せ、小心者ミナト

⏰:08/08/12 18:50 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#149 [我輩は匿名である]
・・・

「お邪魔します」

俺の部屋に初めて女性が入った

俺は今まで女を部屋に入れたことがない

あ、お袋は別としてね

⏰:08/08/12 18:51 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#150 [我輩は匿名である]
そんな場所に入れるって事は、百合は特別なんだ

「適当に座って」

だけど百合がそんな俺の掟を知るわけもなく、複雑そうな表情でベットに腰を下ろした

俺は隣に座ろうとしたが「やだ」と拒否されてしまったので、床に座って煙草に火をつけた

⏰:08/08/12 18:52 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#151 [我輩は匿名である]
「ごめん、煙草きらい?」

「ううん」

「これないと上手く話せない気がしてさ」

究極の苦笑い

偽スマイルを作れないほど、百合といると緊張してしまう

⏰:08/08/12 18:52 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#152 [我輩は匿名である]
百合がまず口を開いた

「どうしてヤリチンが嫌いか知りたい?」

「あ、うん」

耳にタコができるくらい、いつも言われてたもんな。

理由が知りてぇ

⏰:08/08/12 18:53 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#153 [我輩は匿名である]
「元彼が…そうだったの」

「元彼?」

「私に出会うまで浮気ばっかする人だった。でも私と付き合って考えが変わったって…百合だけだよって言ってくれてたの」

俺は黙って聞いた

⏰:08/08/12 18:53 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#154 [我輩は匿名である]
「でも、どっかぎこちなくて…ミナトと休憩所で会ったあの日、彼が違う女とキスしてるとこ見ちゃってさ。本気で辛かった」

その辛さ、俺には体験したことのないモノだ。

だけどもし百合が違う男とキスしてたらやっぱ傷つくんだろうな、と思うと…改めてこの心の苦しみが恋なんだって思えた

「嘘つかれてたんだよね。好き、とか愛してるって言ってくれたのは全部…違ったんだなって思うと…涙止まんなくてさ」

百合は苦笑いを浮かべて言った

⏰:08/08/12 18:55 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#155 [我輩は匿名である]
「ヤリチンが嫌いっていうか、軽い男が怖いの。苦手なの。トラウマなのかな」

もうさぁ、我慢できないんだけど。

そんな可愛い顔するなっつーの

⏰:08/08/12 18:55 📱:PC 🆔:taCV6dP.


#156 [我輩は匿名である]
「彼と別れる前からぎこちなかったのに、ミナトが毎日くだらない話してくれて…私、素直じゃないから“嬉しい”って言えなかった。わざとウザがった態度取ってさ。ごめんね」

「いや、別にいいけど…」

「ミナトのおかげで別れた時のダメージ少なかったよ?もしミナトがいなかったら私、死んでたんじゃないかな」

そう言って笑った百合の手を、つい握ってしまった。

百合は優しく握りかえしてくれた

⏰:08/08/12 18:56 📱:PC 🆔:taCV6dP.


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