月の裏側
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#18 [我輩は匿名である]
・・・・

あの日は確か雨が降ってた。

女に会いに行くから、傘をさしながら歩いてたんだ。

そしたらさ、
近所のお年寄りが休憩するような小屋があるんだけど、そこに百合がいたんだ。


この日から益々、百合を食いたくなったんだ。

たまらなく百合をむちゃくちゃにしたいって思い始めた

性欲と好奇心と…それから…。

⏰:08/07/28 17:13 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#19 [我輩は匿名である]
「ゆーりちゃんっ」

百合にならスマイル0円。

偽スマイルを浮かべ、座ってる百合の隣に腰をおろした。

百合はいつもみたいに嫌そうな表情なんだと思ってた。

だけど違った。


百合は、泣いていた。

⏰:08/07/28 17:14 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#20 [我輩は匿名である]
俺を一瞬だけ見て、視線を落とした百合。

「え、どしたの?何かあった?」

女の涙はめんどうだ。

みっちゃんは私のこと遊びだったんだね、とか
いつになったら彼氏になってくれるの?とか
私だけ愛してよ!とか…。

泣きながら頼まれても仕方ないじゃんね。

俺は女が嫌いなんだよ。

めんどくさい。

でも百合の涙は無視できない

矛盾な野郎だろ?俺って…

⏰:08/07/28 17:14 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#21 [我輩は匿名である]
慰め方を知らない俺。

「何?傘忘れたの?」

んな訳ねーじゃんね。

何言ってんだ俺。

「腹でも痛ぇのか?あ、生理痛!」

デリカシーのない男。

そのうちまた顔面パンチが飛んできそうだわ

「イジメにあってるとか?」

だったら俺がイジメてるやつぶっ殺す。

⏰:08/07/28 17:15 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#22 [我輩は匿名である]
いくら聞いても何も言わない百合。

俺もテンパってしまい、意味のわからない事を言い続けた。

「なぁ、雨強くなってきたし帰ったら?」

百合はずっと俯いてるから、泣いてるのか泣きやんでるのかわかんねぇ。

⏰:08/07/28 17:15 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#23 [我輩は匿名である]
「家まで送っててやろっか?」

その質問に、百合は初めて声を出した。

「ミナト…」

「え?」

「ウザイ」

あ、俺ウザかったんだ。

一気に悲しくなった俺は、ごめんと謝り腰を上げた

⏰:08/07/28 17:16 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#24 [我輩は匿名である]
「俺、邪魔?」

「…今頃気付いたの?」

「すみません」

傘を広げて、休憩所から出た。

「じゃあ、ごめんね。また明日学校で」

そう言って立ち去ろうとしたとき百合は言った。

⏰:08/07/28 17:17 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#25 [我輩は匿名である]
「ミナトは恋愛したことある?」

「…えっ」

そんな質問されるなんて思っても見なかった

ましてや俺を嫌ってる百合から言われるなんて

その答え、俺が答えなくても百合はわかってたんだ。

⏰:08/07/28 17:17 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#26 [我輩は匿名である]
百合は言った

「私はあるよ。ミナトと違って本気で人を好きになったの」

その言葉は、正直ショックだった

プチ失恋というような感じだろうか

そもそも失恋なんかしたことないから、よくわかんねーけど。

くだらない幼稚園児の時の初恋だったアイちゃんは元気だろうか?

そんなこと、どーでもいいか。

⏰:08/07/28 17:18 📱:PC 🆔:s5a5USoM


#27 [我輩は匿名である]
「好きだから、どうしていいかわかんない事ってあんの。ミナトにはわかんないよ…恋愛もしたことない奴に心配されたくない」

「ははっ…相変わらずキッツイねー、百合ちゃん」

俺の顔は偽スマイルどころか、それを作るのもいっぱいいっぱい。

つまり苦笑いっつー、情けない表情だった

⏰:08/07/28 17:19 📱:PC 🆔:s5a5USoM


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