月の裏側
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#274 [我輩は匿名である]
ドアを開けると寒そうに震えていたヨースケがいた。

「遅ぇよ、バカ」

玄関の中に飛び込んできたヨースケは俺の頭を殴った。

「あー悪い悪い。わざわざ取りに来てもらって」

「ったくよー。まぁ俺も貸してた事忘れてたけどな。彼女に貸してって言われるまで」

⏰:08/08/31 11:27 📱:PC 🆔:ykHJeKFw


#275 [我輩は匿名である]
CDは俺の手から持ち主の手へと軽々しく移動した。

「あれ、彼女?」

ヨースケは玄関で行儀よく並んでたブーツを見て言った。

「うん」

「もしかして邪魔した?」

「うん」

嫌味たっぷりの返事。

ヨースケはスマンと言って笑っている。

⏰:08/08/31 11:27 📱:PC 🆔:ykHJeKFw


#276 [我輩は匿名である]
「なんか不思議だよな。ミナトが彼女なんてさー」

「もう1年半だぞ、すげーだろ」

「マジで?俺この1年で何回彼女変わったかな」

ヨウスケは他県の大学に通っている。

滅多に会えないけど良い幼なじみだ

⏰:08/08/31 11:28 📱:PC 🆔:ykHJeKFw


#277 [我輩は匿名である]
「ヨーちゃん最低〜」

「よく言うよ。ヤリチンのくせに」

「卒業したよ、今の彼女が俺の救世主様だわ」

「へぇ。今度彼女に会わせてよ」

「はいはい、そのうちな」

「そういえば名前は?美人ちゃんっていつも言ってたから名前知らないや」

⏰:08/08/31 11:28 📱:PC 🆔:ykHJeKFw


#278 [我輩は匿名である]
「あぁ、そうだっけ?」

「うん」

「百合ちゃんって言うの。心に刻んどけ、俺の女神の名前」

「…百合。ふーん。まぁ忘れなうなら覚えといてやるよ」

「何だそれ」

ヨースケはクルッと体を回転させて玄関のドアに手をやった。

⏰:08/08/31 11:29 📱:PC 🆔:ykHJeKFw


#279 [我輩は匿名である]
「じゃあまたな」

「ほーい」

別れはいつもアッサリしている俺ら。

ヨースケが玄関から出て行ったと同時に、俺の足は自分の部屋へと向かった。

⏰:08/08/31 11:29 📱:PC 🆔:ykHJeKFw


#280 [我輩は匿名である]
「お待たせ!」

お待たせのキスを長く長く交わした。

そのままさっきの続き。

焦らされた分、熱く優しいSEXだった。

⏰:08/09/02 11:12 📱:PC 🆔:cNhQLB8w


#281 [我輩は匿名である]
互いの欲望が満たされた後、下着だけ付けた俺らは布団の中で温もりあった。

肌にサラサラしたシーツが触れる。

体を寄り添わせればスベスベとした百合の肌に触れる。

こんなに安らげる時間、他にはない。

⏰:08/09/02 11:12 📱:PC 🆔:cNhQLB8w


#282 [我輩は匿名である]
ガチャ

いきなり部屋のドアが開いて、心臓が飛び上がった。

とっさに俺の右手は、百合を布団の中に隠すという行動を取った。

百合も俺と同じ行動をしようとしたらしく、素直に布団に潜ってくれた。

⏰:08/09/02 11:13 📱:PC 🆔:cNhQLB8w


#283 [我輩は匿名である]
安らげる時間、終了。

「ミナトてっめー!中身入ってねぇじゃ…ん…か…」

ヨースケだ。

ベットから出る俺の裸の上半身。

その隣に顔と体が布団に潜り込み、サラサラとした髪だけが見えている女。

⏰:08/09/02 11:14 📱:PC 🆔:cNhQLB8w


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