月の裏側
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#408 [我輩は匿名である]
「だとしたらお前の考えすぎ。もしくは…百合は自分の弱さをお前には見せなかったって事だ」

いつかの話を思い出した。

月の裏側。

私の裏側はミナトにしか見せない、って甘えてきた百合はまだ幼かった。

⏰:08/09/23 16:02 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#409 [我輩は匿名である]
あれからどれくらいの時間が経った?

百合の気持ちは変わったのだろうか。

もしかしたら裏側だけしか見せてくれないようになっちまったのかな…。

「悪かったな。とりあえず他当たるわ」

一気に冷静になった俺はヨースケに礼を言ってから車を走らせた。

⏰:08/09/23 16:03 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#410 [我輩は匿名である]
途中、美優がトイレに行きたいと言うので、コンビニに寄った。

そのとき、とても懐かしい顔に遭遇した。

「中畑?」

すぐにわかった。

「タツヤ…」

大学の友達。

⏰:08/09/23 16:03 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#411 [我輩は匿名である]
「久しぶりだな!」

「ホント、何年ぶり?」

同窓会にも顔を出せなかった俺は、タツヤやマコトとは卒業以来会っていなかった。

「つか…子供?」

「あ、うん、そう。てか、待って。まずトイレ行くから!」

慌てて美優の手をひいてトイレに駆け込んだ。

後ろでタツヤが笑う声が聞こえた。

⏰:08/09/23 16:04 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#412 [我輩は匿名である]
「だれ〜?」

「ん?パパの大学の時のお友達」

「さっき、おそとで、おはなししてたひとは?」

「あの人は幼なじみ」

「おさななじみってなに?」

「んー。美優にはいないもんな。また教えてやるから」

手を洗ってトイレから出るとタツヤが笑ってた。

⏰:08/09/23 16:04 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#413 [我輩は匿名である]
「パパうんち?」

「きゃはは」

美優は下品な言葉が好きな年頃。

タツヤの顔見て笑ってた。

「違うっつーの」

「この子が噂の美優ちゃんね。初めましてー」

「はじめまして、みゆです」

「賢い!パパとは大違いだね」

⏰:08/09/23 16:05 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#414 [我輩は匿名である]
「みゆ、ぱぱより、かしこいの?」

「うん。パパおばかだから、ママの言うことだけ聞きなさ〜い」

美優は笑ってたけど、俺は笑えねーし。

そのママ、今探してるんだっつーの。

⏰:08/09/23 16:05 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#415 [我輩は匿名である]
「で、久しぶりついでに今日の夜飲み行く?マコトも呼んで」

「悪い。また今度な。今、忙しくて」

「えー、数年ぶりに再会したのにー」

タツヤは昔とほとんど変わってない。

「ごめんな。また連絡して」

「はいはい。じゃあね。美優ちゃん、バイバイ」

「ばいばーい」

⏰:08/09/23 16:05 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#416 [我輩は匿名である]
懐かしい友達の笑顔。

あの頃は、百合とこんな未来を築いているなんて想像もしなかった。

百合が綺麗で美人な女だと褒められるのが嬉しくて、いつも鼻が高かった。

やっぱり俺には勿体ないくらいの奥さんなんだな、百合って。

自分の不甲斐なさにどんどん腹が立ってくる。

美優をチャイルドシートに座らせて再び車を発車した。

⏰:08/09/23 16:06 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#417 [我輩は匿名である]
30分かけて着いた場所は、美優の喜ぶところだった。

「おじーちゃんとおばーちゃんのおうち〜」

百合の実家だった。

「うん。ほら、美優おりて」

⏰:08/09/23 16:06 📱:PC 🆔:a.07ms/M


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