月の裏側
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#411 [我輩は匿名である]
「久しぶりだな!」
「ホント、何年ぶり?」
同窓会にも顔を出せなかった俺は、タツヤやマコトとは卒業以来会っていなかった。
「つか…子供?」
「あ、うん、そう。てか、待って。まずトイレ行くから!」
慌てて美優の手をひいてトイレに駆け込んだ。
後ろでタツヤが笑う声が聞こえた。
:08/09/23 16:04
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#412 [我輩は匿名である]
「だれ〜?」
「ん?パパの大学の時のお友達」
「さっき、おそとで、おはなししてたひとは?」
「あの人は幼なじみ」
「おさななじみってなに?」
「んー。美優にはいないもんな。また教えてやるから」
手を洗ってトイレから出るとタツヤが笑ってた。
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#413 [我輩は匿名である]
「パパうんち?」
「きゃはは」
美優は下品な言葉が好きな年頃。
タツヤの顔見て笑ってた。
「違うっつーの」
「この子が噂の美優ちゃんね。初めましてー」
「はじめまして、みゆです」
「賢い!パパとは大違いだね」
:08/09/23 16:05
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#414 [我輩は匿名である]
「みゆ、ぱぱより、かしこいの?」
「うん。パパおばかだから、ママの言うことだけ聞きなさ〜い」
美優は笑ってたけど、俺は笑えねーし。
そのママ、今探してるんだっつーの。
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#415 [我輩は匿名である]
「で、久しぶりついでに今日の夜飲み行く?マコトも呼んで」
「悪い。また今度な。今、忙しくて」
「えー、数年ぶりに再会したのにー」
タツヤは昔とほとんど変わってない。
「ごめんな。また連絡して」
「はいはい。じゃあね。美優ちゃん、バイバイ」
「ばいばーい」
:08/09/23 16:05
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#416 [我輩は匿名である]
懐かしい友達の笑顔。
あの頃は、百合とこんな未来を築いているなんて想像もしなかった。
百合が綺麗で美人な女だと褒められるのが嬉しくて、いつも鼻が高かった。
やっぱり俺には勿体ないくらいの奥さんなんだな、百合って。
自分の不甲斐なさにどんどん腹が立ってくる。
美優をチャイルドシートに座らせて再び車を発車した。
:08/09/23 16:06
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#417 [我輩は匿名である]
30分かけて着いた場所は、美優の喜ぶところだった。
「おじーちゃんとおばーちゃんのおうち〜」
百合の実家だった。
「うん。ほら、美優おりて」
:08/09/23 16:06
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#418 [我輩は匿名である]
車から降りた美優の髪の毛がフワッと風で揺れた。
その動きや横顔が百合にそっくりで…俺に似てると言われてる美優だけど、やっぱり百合の子なんだ、って改めて実感させられた。
ピーンポーン
美優の手を繋ぎ、インターホンを押した
:08/09/23 16:07
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#419 [我輩は匿名である]
「はい」
「おはようございます」
インターホンのカメラに向かって頭を下げた
「ミナトくん…どうぞ」
お義母さんの声でわかった。
百合がここにいるんだ、って。
:08/09/23 16:08
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#420 [我輩は匿名である]
ガチャ…
「おばーちゃぁーん!」
美優が飛びつくとお義母さんは優しい笑顔を見せた。
「まぁ、美優ちゃんも来てくれたの?」
「うん、ぱぱのくるまできたー」
「そう!ありがとうね。中におじいちゃんいてるから入って」
:08/09/23 16:08
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