月の裏側
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#420 [我輩は匿名である]
ガチャ…
「おばーちゃぁーん!」
美優が飛びつくとお義母さんは優しい笑顔を見せた。
「まぁ、美優ちゃんも来てくれたの?」
「うん、ぱぱのくるまできたー」
「そう!ありがとうね。中におじいちゃんいてるから入って」
:08/09/23 16:08
:PC
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#421 [我輩は匿名である]
美優は靴を脱いで、おじいちゃんと叫びながら中に入っていった。
美優の靴の隣に、百合の靴もあった。
「ミナトくん、来てくれてありがとね」
「あの、百合は…」
「ええ。部屋にいる。私たちが朝起きて来たらリビングにいて、泣きながらミナトと美優に会わせる顔がないって言い出して」
気にしなくていいって伝えたのに…伝わらなかったのか。
百合は自分を責めているんだ
:08/09/23 16:10
:PC
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#422 [我輩は匿名である]
「お父さんはミナトくんと喧嘩したんだと誤解してるみたいだけど…違うんでしょ?百合の様子、おかしかったから」
「喧嘩ではないですけど…僕の力不足です」
「私が悪いのってずっと言ってるし、ミナトくんには連絡しちゃダメって言うし…私どうすればいいのかわからなくて」
「迷惑かけてすみません」
:08/09/23 16:11
:PC
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#423 [我輩は匿名である]
「とにかく入って。美優ちゃんは私たちが見てるから百合のところに行ってあげて。お父さんには私から話しておくわ」
「はい、お願いします」
百合の部屋まで通されて、お義母さんは部屋をノックした。
「百合、入るわよ」
「…」
返事のない扉を開けた。
:08/09/23 16:12
:PC
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#424 [我輩は匿名である]
百合が嫁に出てからも、部屋はそのままにしてある松本家。
見覚えのある懐かしいベットの中に百合がいた。
「それじゃ」
お義母さんが扉を閉めて、俺と百合の二人っきりになった。
「…百合」
「…」
:08/09/23 16:12
:PC
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#425 [我輩は匿名である]
ベットの近くに座って、百合の体の上に手をのせた。
「こっち向いて」
百合は首を横に振り、こっちを見てくれない。
「なんで、逃げるの。俺のこと嫌になった」
「…ううん」
消えていきそうなくらい小さな声
:08/09/23 16:13
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#426 [我輩は匿名である]
「また、見たの?」
「…」
何も言わない百合。
そっか、見たんだ。
俺の手を繋ぎながらヨースケの夢を。
さすがにそれは俺もキツい。
「百合はさ、ここに逃げて来てどうしたいの」
「…」
「俺から逃げたいんだろ?」
:08/09/23 16:24
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#427 [我輩は匿名である]
「わかんない。どうすればいいのかわかんないから、ここに来た」
「美優を置いて?」
「…」
「ヨースケの夢を見るのは百合の言う通り嫁失格かもしれない。でも母親失格にまでなるなよ」
:08/09/23 16:25
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#428 [我輩は匿名である]
「…」
「美優、ずっとママは?ママは?って聞いてくんだよ。美優のこと不安にさせちゃダメじゃん」
「…ごめ…なさい」
百合は泣いていた。
叱りたくなかったけど、百合がここまで弱かったのなら、もう叱るしか方法がなかった。
:08/09/23 16:25
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#429 [我輩は匿名である]
「わかったなら、帰っておいで」
「…ごめん」
「わかったから。もう帰ろう。これ以上、お義母さんたちに迷惑‥」
「これ以上ミナトに迷惑かけられない」
「え」
:08/09/23 16:25
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