月の裏側
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#71 [我輩は匿名である]
音楽室の掃除。

めんどくさい

移動しなきゃじゃん

そう思い教室を出た途端、唯が走ってきた

「みっちゃーん」

「おぉ、唯。ごめん、俺掃除だからちょっと遅れるわ」

「そのことなんだけどー、唯もごめん」

「え?」

⏰:08/08/07 14:46 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#72 [我輩は匿名である]
「生理なっちゃったぁ〜。だからまた今度ね」

「あ…そう。それはそれは…」

「ごめんね」

「あー、うん」

一気にテンションが下がった

放課後の楽しみがないのに、何で掃除なんかしねーといけないわけ?

⏰:08/08/07 14:46 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#73 [我輩は匿名である]
唯が走り去ったあと、百合が言った

「残念〜。今日はAVでも見てな」

「一緒にレンタルショップ着いてきてくれる?」

「井上と行けば?」

百合に腕を引っ張られ、俺らは音楽室に向かった

階段昇って廊下歩いて…だりぃ

音楽室に入るとすでに井上はホウキで床をはいていた

「ごめーん、井上」

百合が言った

「あ、いえ…」

井上はどこか挙動不審

変な奴

⏰:08/08/07 14:47 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#74 [我輩は匿名である]
俺と百合はぞうきんを持って窓ふきをした。

10分くらい無言。

何喋っていいかわかんねーし

「松本さん」

「え?」

「床、終わったんでボク帰っていいですか?」

「あ、うん。いいよ、あとやっとくし」

「それじゃあ」

井上は頭を下げて出て行った

⏰:08/08/07 14:48 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#75 [我輩は匿名である]
「なんで百合ちゃんだけ呼ばれて、俺は呼ばれないの?」

「ミナトの名前しらないんじゃない?」

「ありえねー。てか仲いいのな」

「掃除のときに話すぐらい。床やってーとか、窓ふいてーとか」

「ふーん」

俺は黙々と窓を拭いた

百合も黙って細い腕を動かしながら窓を拭く

あーぁ。

掃除姿もキレイな人

⏰:08/08/07 14:49 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#76 [我輩は匿名である]
「百合ちゃん、将来いい奥さんなりそう」

「は?いきなり何?」

静かな音楽室に俺と百合だけの声

「百合ちゃんなら俺、結婚してもいいよ」

「私はやだよ。あんたなんかと結婚するぐらいなら…」

「井上と結婚する?」

ちょっとからかってみた

百合の手を握って、顔を近づけた

「…一生未婚でいる」

「ふーん。もったいない」

⏰:08/08/07 14:50 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#77 [我輩は匿名である]
近距離の俺に全くなびかない

「百合ちゃんさぁ」

「何」

「緊張しないの?」

「しない。掃除したいんだけど」

「キスは?」

「はぁ?」

⏰:08/08/07 14:51 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#78 [我輩は匿名である]
「キスしたくない?」

「ミナトと?」

「うん」

「やだ」

「じゃあさ…」

また少し近づいてやった

「元彼とならしたい?」

「…」

百合の視線がそれた

⏰:08/08/07 14:51 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#79 [我輩は匿名である]
あ、したいんだ。

可愛い奴

「俺の事、元彼だと思って」

「え?」

「5秒でいいから」

「やだ」

「じゃあ3秒」

「無理」

「んじゃ1秒ね」

俺は百合の了解も得ずに、思い切り唇を押し当てた

⏰:08/08/07 14:52 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


#80 [我輩は匿名である]
1秒のキスなんて、嘘に決まってんじゃん

百合は嫌がったけど、頭を押さえて無理矢理押し当て続けた

⏰:08/08/07 14:52 📱:PC 🆔:q6sdS6E6


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