激エロ短編小説
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#380 [蓮]
:08/09/03 17:07
:N905i
:☆☆☆
#381 [蓮]
「すいません、急に時間作ってもらっちゃって」
ゆかりはこの時、
過去の自分と決別していることに気付いた。
以前であったら、憧れの人を呼びつけ、待たせるなんてできなかった。
好きな男の弱みを握ったことで大胆になっている自分にゆかりは驚く。
向かい合いに座るゆかりを改めて祐二は見つめる。
(ゆかりちゃんて、こうして見るとかなり可愛いよなあ。いつも下半身ばかり見ていたけど)
肉感的なゆかりの尻から太股にばかり気を取られていた祐二であったが、
このように正面から観察すると、顔立ちにもかなり魅力を覚え始めていた。
:08/09/04 19:01
:N905i
:☆☆☆
#382 [蓮]
ふっと息を整えるゆかり。
キッと彼を睨み付けるや、
「ストッキング、返して下さい」
決然とした態度で、彼を非難し罵倒するかの口調で切り出す。
「え!」
ポカーンと呆気に取られる祐二。
声を出す事ができない。
「私だけじゃないんです。見た人がいるんです!」
嘘だ。明らかな嘘だ。
とにかく、彼が持っているであろう自分のストッキングを証拠品として晒け出せればいい。
ゆかりはそう考えていた。
:08/09/04 19:07
:N905i
:☆☆☆
#383 [蓮]
「私のストッキング返して、返して下さい」
ゆかりは涙をうっすらと浮かべる。
自分の日記を勝手に覗いた親へ、涙で不条理を訴える少女のように、健気さを偽り、祐二をなじる。
「返して下さい!恥ずかしいんです、脱いだ物を男の人に取られるなんて」
祐二は衝撃で言葉が出ない。
祐二が盗ったと確たる口調で主張するゆかりに、
何の反論もできない。
:08/09/04 19:26
:N905i
:☆☆☆
#384 [蓮]
か細い声で「返して」と繰り返すゆかり。
やがて、その声は鳴咽へと変わる。
込み合う店内で、若い女性の鳴咽はかなり目立つ。
他の席にいる客達がざわめき始め、中には
「金でも借りてるんじゃないの、あいつ」
と見当外れな想像で祐二をなじる者まで出る始末。
客達の視線と騒めきは、
ますます広がるばかり。
雰囲気に耐えかね、祐二は慌てて声を掛ける。
:08/09/04 19:34
:N905i
:☆☆☆
#385 [蓮]
「ちょっ、ちょっと、ゆかりちゃん、とにかく、違う場所でゆっくりね。」
強引に彼女の肩を掴み、
伝票をひったくるように握ると、ゆかりを引きずるようにレジに向かう。
千円札をレジに置き、
「お釣りはいいですから」
とレジ係の女性に告げ、店外へ。
(まいったな)
祐二はとっさにこの近くの公園に行く事を思いつき、ゆかりの手を引っ張って無言のまま公園へと向かう。
5分程歩いただろうか。
大きな池を取り囲むようにベンチが置かれた公園にたどり着く。
土曜の夕方、既にポツポツとカップルがベンチに座り、愛の囁きを交わしている。
:08/09/04 19:45
:N905i
:☆☆☆
#386 [蓮]
「フーッ」
祐二は心を落ち着けようと深く息を吐く。
泣き止んだものの、ゆかりは、まだうつむいて暗い表情をしたままだ。
(もしかして前に店長が言ってた防犯カメラでバレたのか)
なぜゆかりに恥ずかしい行為が知られてしまったのか、思いを巡らせ始める。
以前、スタッフルームでの窃盗が多発し、業を煮やした店長が監視カメラの設置を宣言した。
防護策ではなく、隠しカメラで犯人を特定すると意気込む店長を、スタッフ達はやや呆れた態度で冷やかしていた。
:08/09/04 19:52
:N905i
:☆☆☆
#387 [蓮]
もしかしたら、実際に店長がカメラを設置し、それでバレたのだろうか。
だとしたら、祐二はもう店にいられないだろう。
暗い気持ちになり、少しでも気分を落ち着けようと煙草に火をつける。
「あのさ、ゆかりちゃん。何で俺がストッキングを盗んだって分かったの?」
もうこの際、はっきり聞いて確かめよう。
祐二はそう決意し口を開いた。
:08/09/04 19:56
:N905i
:☆☆☆
#388 [蓮]
「やっぱり、祐二さんだったんですね。私が捨てたストッキングを盗んだの」
鳴咽を漏らし暗くうつむいていたのが嘘のような表情で、ゆかりはきっぱり顔を上げ、祐二に向き直る。
「えっ?あっ?ええっ!!!ゆかりちゃん、だって俺が盗んだって言ったよね」
「とにかく、盗んだのは事実ですよね」
(ゆかりちゃん、鎌を掛けたのか???)
キリッとした表情で祐二を見据えるゆかり。
(はめられた!)
時既に遅し。
腰掛けているベンチが、崩れ溶けていくような感覚を祐二は覚えていた。
:08/09/04 20:03
:N905i
:☆☆☆
#389 [蓮]
「ええ、確信は無かったんっす。だけど私が捨てた所見てたのは、祐二さんだけだから」
(やっぱりそうか、ゆかりちゃん、俺を試したのか)
確信は無かった、平然と宣うゆかり。
しかし祐二は怒りを感じることなく、ゆかり以外の誰にも自分の変態行為を知られていないことに、安堵した。
「なーんだ、そっか」
俺はなんて間抜けなんだと後悔するも、自白を翻すことはできない。
実際にやってしまったことを、してないと言い張る気力はもう残ってなかった。
:08/09/04 20:11
:N905i
:☆☆☆
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