Fantasy Story
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#1 [英] 08/09/05 01:29
主人公 [jpg/23KB]
#58 [英]
すると兵は逃げないように木に繋げていた二頭の馬を連れて来た。
リィンとフェルナートがそれぞれ馬へと乗る。
「君の兄はこのウェルド王国の皇都、シェドリエの城に居る。私達はもう城に戻るが……共に行くか?」
馬上から問うとリィンは透を見据えた。彼女の瞳を見、透は唱える。
――この人達と一緒に行けば、兄貴に会えるんだ
…と。透は自分よりも高い位置に居るリィンを見上げ、頭を縦に振り頷いた。
真直ぐ返ってくる瞳に、リィンはふと小さく笑みを浮かべた。
:08/10/29 00:38
:W53T
:4VYFIbPc
#59 [英]
"
「フェルナート、トール君を後ろに乗せてあげなさい。私は――彼女を乗せなきゃならないみたいだからね」
「彼女…?」
リィンの言葉に透は呟く。
だがその呟きは荒れた兵士の怒鳴り声によってかき消された。
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:08/10/29 00:43
:W53T
:4VYFIbPc
#60 [英]
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「早く歩けと言っているだろう!!」
「ふんっ!誰がお前なんかの言う事聞くかっ」
「なんだと?!この小娘…!!」
言い争いをしている一人の兵士と少女。
その少女は人間のようで、人間ではなかった。鮮やかな金髪からのぞく長い耳は尖っていたのだ。
全く言う通りにしない少女に腹を立てた兵は、少女の両腕を縛った縄を強引に引っ張った。
縛られた腕で受け身などとれるはずもなく、少女は勢い良く顔から地面へと倒れ込んでしまう。
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:08/10/30 01:03
:W53T
:JYnd9VOg
#61 [英]
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「痛っ…何すんのよ!!」
キッと碧色の瞳を鋭くさせ、縄を握っている兵を睨む。だがそれはまた少女の身体を地面へと転げる事となった。
受け身をとれず、顔や服は土で汚れ、頬や顎に出来た傷からは血が滲んでいた。
何があったのかわからないが、これ以上見ていられなくなった透は二人の間に入ろうとした…が、それよりも早くリィンが馬上から口を開いた。
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:08/11/10 21:08
:W53T
:gEMIe2QA
#62 [英]
「もうよせ、その子は私が連れて行く」
「なっ何故ですかリィン様!この小娘はエルフ共全員を逃が――」
「アサト、列に戻れ」
「………はっ」
アサトと呼ばれた兵は言葉を遮られ、強い口調で言い放ったリィンに頭を深く下げてから後ろに並ぶ列へと戻った。
その戻る際、微かにだが下唇を噛み締めているのが見えた。そして一瞬、ギロリと横目でリィンとエルフの少女を睨んだのだ。
「……っ」
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:08/11/10 21:55
:W53T
:gEMIe2QA
#63 [英]
"
別に自分が睨まれたわけでもないのに、透は怯み身動きが出来なくなってしまった。
強い、強い憎悪が感じられたからだろうか…
もう一度、彼を見るがもうそこには先程見えた瞳は無くなっていた。
気のせいだったのかと疑問に思っていると突然、透の身体が宙へと浮いた。それと同時に制服も上へと上がり、首を締められ苦しさが襲う。
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:08/11/11 14:59
:W53T
:gclhAZx.
#64 [英]
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「暴れるなよ」
頭上からフェルナートの声が聞こえたかと思うと、透の身体は更に高く宙へと上がった。
そして馬…フェルナートの後ろに乗っけられたのだ。
先程透を襲った苦しさは猫の首を掴んで運ぶように、フェルナートが制服の襟を掴んで持ち上げたものからだった。
「…僕、猫じゃないんですけど…」
「何度も呼んでるのに返事しないからつい」
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:08/11/12 01:40
:W53T
:BCLl.xUA
#65 [英]
悪い悪いと笑って謝るフェルナート。
そんなフェルナートから透は口角を歪めたが直ぐに元の表情にもどし、「暴れるな!」と叱咤されながらリィンの前に座らされているエルフの少女を見、口を開いた。
「フェル…ナートさん、あの子は…」
……もしかして魔法…瞬間移動が目の前で起こった後、兵やフェルナートさん、リィンさんらに囲まれていた人物なのだろうか。
:08/11/12 02:03
:W53T
:BCLl.xUA
#66 [英]
>>65訂正
二つ目の文、
《そんなフェルナートから透は口角を〜》
とありますが、
《そんなフェルナートに透は口角を〜》です。
:08/11/12 02:15
:W53T
:BCLl.xUA
#67 [英]
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お久し振りです。
長い間更新出来ず、申し訳ありませんでした。直ぐには無理ですが、今月中には更新開始しますので、よかったらまたお付き合い下さい*
>>2-65>>68-100
:09/06/05 15:31
:W53T
:VGzKfMVo
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