Fantasy Story
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#17 [英]
>>15続きです。
染めてるのかな…でもこんな綺麗に染まるもんなのか…
目はやっぱカラコン?
それにこの服って…
髪や顔から下へ目を向けると、彼女は学校の制服ではなく…ファンタジーの映画や漫画に出てきそうな白のローブを羽織っているのに気付いた。
黄金色の刺繍がいくつも入っていて、それはとても綺麗だった。
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:08/09/13 10:57
:W53T
:s2jL32tk
#18 [英]
゙
コスプレにしては良く出来てるし…でも、何だかコスプレとかじゃなく、本当に何かの物語に居るような……この世界の人間ではない気がした。
「…君は一体…」
――誰なの?
そう言おうと口を開けば、彼女は薄紫の瞳を楽しそうに細めた。
「さあ、誰でしょう――でも分からないままじゃつまらないですよね…」
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:08/09/14 14:33
:W53T
:7.B.APkA
#19 [英]
"
唇に人差し指を当て、小さく唸るかと思えば今度は唇を弧の形にし、更に言葉を続けた。
「貴方のお兄さんを“向こう”へ連れてった者…とでも言っときましょうか」
「?!」
……連れてったって…この子が兄貴を?
それに“向こう”って何処の事言ってるんだろうか…。
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:08/09/15 14:55
:W53T
:keVmWsYw
#20 [英]
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「じゃあ…皆が兄貴の事忘れてるのも…」
「私がやりました。騒ぎになったら大変ですから皆さんの記憶を少々弄らせてもらいました」
人間にそんな事できるのか。…出来ないと頭で分かっているのに何故か彼女の言葉が本当の事に聞こえてくる。
でももし、これが本当の話なら兄貴は戻って来るかも――そう呟けば目の前にあるピンクの髪が揺れた。
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:08/09/15 15:00
:W53T
:keVmWsYw
#21 [英]
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「必要だらか“向こう”に連れて行ったのに直ぐ帰すと思います?」
「……思わない」
「ふふ、安心して下さい。用が済めばこちらにちゃんと帰しますので……まぁ、当分先の話ですけどね。お兄さんも、貴方も…」
気付けば彼女の笑みは息がかかる程近くにあった。
薄紫の大きな瞳に映ったのは僕の顔ではなく、見た事もない世界が何処までも広がっていた。その世界は彼女の姿同様、ファンタジーの世界にあるようなモノばかりだった。
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:08/09/16 00:54
:W53T
:uMH/FQRM
#22 [英]
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「――“向こう”へ行けばお兄さんに会えるでしょう……ですが今までのように簡単にはいかないですが――」
それはどう言う意味なのだろうか。行けば直ぐ会えるわけじゃないのか?
そう聞きたかったが思うように口が開かなく、声を出す事が出来なかった。次第に身体も動かせなくなり、重たくなった瞼が勝手に落ちていく。
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:08/09/16 15:38
:W53T
:uMH/FQRM
#23 [英]
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薄れる意識の中、もう一度彼女を見たら先程までの妖しい笑みはどこにも無く、そこには辛そうな…悲しそうな顔があった。
そして僕の視界は真っ暗となった――。
next...第一章
:08/09/16 15:44
:W53T
:uMH/FQRM
#24 [英]
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・お知らせ・
第一章からは主人公視点から三人称視点となります。読みにくいかもしれませんがまた主人公視点に戻る時もあると思います…。
申し訳ないです;;
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:08/09/17 19:09
:W53T
:W0ycFVR2
#25 [英]
朝、目覚し時計が鳴っても眠り続ける僕を起こしに来る母さん。
リビングに行けば新聞を読みながら「おはよう」と言ってくれる父さん。
自分の分だけじゃ足らなく、僕の朝ご飯まで食べようとする兄貴。
これが僕にとって当たり前の生活で…当たり前過ぎて幸せだとか分からないけど、この生活がとても温かく感じられるんだ。
:08/09/17 21:25
:W53T
:W0ycFVR2
#26 [英]
だけどそんな温かな風景に、どこからともなく闇が滲み出て来る。
その闇から聞こえて来るのは家族の話し声や笑い声ではなく、鼓膜を破るような金属音と人々の悲痛な叫びと悲鳴だった――
―Fantasy Story.01―
:08/09/17 21:32
:W53T
:W0ycFVR2
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