君の瞳に映るもの
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#1 [sono] 08/09/07 17:47
よろしくお願いします。
#35 [sono]
:08/09/13 15:05
:F904i
:q6W8KoxY
#36 [sono]
鏡に映る女の顔は、酷いものだった。
「不細工すぎる。」
目は真っ赤に充血し、瞼は腫れぼったくなっていた。
余程ショックだったのか、夏はふらふらと近くにあった椅子に力無く座り込んだ。
「ぅう゛ー…」
顔を包み込む両手の指の隙間からは、怪しげな唸り声が漏れる。
:08/09/15 23:23
:F904i
:fM7HOYks
#37 [sono]
今日は久しぶりに仕事が休みなのだ。
「展覧会の日は…
有給休暇を取って貰おう。」
夏は力無く呟きながら冷蔵庫の方へ向かう。
コップにお茶を注ぐと、音を立てて氷にひびが入った。
「コンビニに行こう…」
夏は空っぽに近い冷蔵庫にお茶を戻しながら言った。
:08/09/16 23:53
:F904i
:7F2FvTrw
#38 [sono]
もう直ぐ秋だというのに外は蒸し暑く、太陽は夏を照りつける。
「暑〜…」
途中、人通りの少ない家々の間の道を夏はゆっくりと歩く。
「ぁ…」
秋の訪れを感じさせる蜻蛉が飛ぶ中、もう直ぐ命尽きるだろう蝉が道端を這っていた。
もう飛ぶことも鳴く力も無くなった醜い姿の蝉に夏は目を潤ませた。
:08/09/17 17:30
:F904i
:cucejaYM
#39 [sono]
夏は蝉に同情してる訳じゃなかった。
ただ、全てをやり遂げた者の終わりの本当の姿はこんな醜いものだとわかり、酷い喪失感、脱力感に襲われたのだ。
-ジッジジジッ
その場に立ち尽くし、夏が蝉を見ていると突然蝉が動き出し、羽をぎこちなく動かし始めた。
夏はゴクリと喉を鳴らす。
少しだけ奇跡を信じて、希望を持った目で夏は蝉を見つめる。
:08/09/17 17:39
:F904i
:cucejaYM
#40 [sono]
「ぁっ!!!」
蝉が小さく飛んだ。
夏の心の奥に小さな希望の光が射した。
無意識に夏の顔に笑顔が灯る。
ージッジジジッ…ジッ!!
蝉が大きく"泣いた"。
「うげぇ〜っ!!
私、蝉踏んじゃった!!」
きつい香水の香をまとった若い女が靴底を気にしながら顔を歪ませ、歩いて行った。
:08/09/17 17:47
:F904i
:cucejaYM
#41 [sono]
ゆっくり、ゆっくりと夏の心が閉ざされてゆく。
夏の瞳からは一筋の涙が零れていった。
無様な姿になった蝉。
潰れた体からは奇妙な液体が流れ出ていた。
「私…何してるんだろう…」
夏は涙の溢れる瞳で、眩しすぎる太陽を見上げた。
:08/09/17 17:54
:F904i
:cucejaYM
#42 [sono]
背中越しに聞こえる若い女の甲高い笑い声を聴きながら、また夏は涙を零した。
潰れた蝉と共に…
:08/09/17 17:58
:F904i
:cucejaYM
#43 [sono]
:08/09/17 18:57
:F904i
:cucejaYM
#44 [
]
気になります


:10/02/21 09:02
:SH01B
:Y7rLkv1k
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