神が嗤うよるに
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#9 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
喰堂伊澄さんは真っ赤な舌をつきだして、ゆっくりと、楽しむかのように舌舐めずりをした。
「それってとっても、とっても、ロマンチックで、危なっかしくて、信じられないくらい魅力的で、素敵なコトよね」
彼女は心底嬉しそうに目を細め声を立てて笑った。
異常。
私は鳥肌が全身に立つのを感じた。
:08/09/15 18:47
:L704i
:vyDO3TGE
#10 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
殺されることに快楽を感じるなんて、有り得ない、絶対に、オカシイに決まっている。
けれど、こんなところにこんな人間達に囲まれていたら、なんだか自分も同類の人間になってしまった錯覚に陥る。
いや、もしかすると、もう本当にオカシクなってしまったのだろうか。
:08/09/15 19:23
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#11 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
ダイニングテーブルを囲む切り裂きジャックの客人達は、鹿城美瑶(かしろみたま)さん以外、皆、無表情のままで喰堂伊澄さんを見つめていた。
「殺されるのがロマンチックで魅力的……? 喰堂さん、貴方、本気で云ってるの?」
鹿城美瑶さんが今にも消え入りそうな声で呟いた。
:08/09/15 19:25
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#12 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
こんなはずじゃなかったのに。
そう云わんばかりに、鹿城美瑶さんは目に溢れんばかりの涙をためて視線を泳がせていた。
:08/09/15 19:27
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#13 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
それが普通の反応なのだろう。
もっとも、此処にいる人間達に普通だとか常識とかいう言葉は意味を持たないのだが。
:08/09/15 19:27
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#14 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「あら、素敵なコトよ。わたくし、この人生に飽き飽きしてたトコだったから、これは《清く正しく》生きてきたわたくしへの、神からのご褒美だって思っているわ」
ご褒美。
死が、ご褒美。
鹿城美瑶さんは我慢できない、とでも言いたげに力強く首を左右に振った。
涙がテーブルに散る。
:08/09/15 20:52
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#15 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「……狂ってる。もう嫌。……どうしてなの? ワタシはただ、沙瑶(さたま)をサナトリウムまで送るために来ただけなのに、どうしてこんなことになってしまったの……?」
鹿城美瑶さんはとうとう泣き出してしまった。
それを一卵性双生児の弟、鹿城沙瑶(かしろさたま)さんが、ヒヒヒ、と嘲笑う。
慰める様子は全くない。
:08/09/15 20:54
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#16 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「ところで、喰堂さん。皆さんはどうやって切り裂きジャックに招待されたんですか?」
「……あら。教えていなかったかしら?」
喰堂伊澄さんは切り裂きジャックに招待された経緯を語り始めた。
ダイニングに集まる者は例外の私を除き、皆、この白鞍沢の地へ旅行に訪れていた。
しかし、三日前に事件は起きた。
:08/09/15 20:57
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#17 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
宿泊先のロイヤルホテルに向かう途中、唐突に、専用バスが黒い帽子とコートに身を包んだ《切り裂きジャック》と名乗る男にバスジャックされたのだ。
切り裂きジャックは運転手にこの別荘「絶望の歌声」に客人を案内させ、到着時に鋭い刃物で喉をかききり殺害した。
後の話によると、この運転手の亡骸はその日の晩餐にカルパッチョとなって《再利用》されたとかされてないとか。
:08/09/16 20:39
:L704i
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#18 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
カニバリズムに興味があるという喰堂伊澄さんは、恍惚とした表情でカルパッチョを食べていたらしい。
恐るべし。
お前達もこうなりたくなければおとなしく別荘に来い。
そう云って切り裂きジャックこと《誘拐犯及び殺人犯》は、客人に有無をいわせずこの別荘に招待した、らしい。
:08/09/17 20:22
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