いいコちゃん。

毎日毎日同じ時間に鳴り響く忌々しい時計を、

力強く、それはもうぶっ壊す勢いで叩いた。

化粧をしようと鏡の前に座る。鏡の中には、無表情なあたしがいた。

挫けるものか…

「ねぇ、マサくんって、あたしのこと嫌い？(笑)」

両手で頬杖をつき、可愛く聞いてみる。

「うん、嫌い。」

………はい？？？

おや？これは本気で嫌われてるかも…(笑)

「えっ…あたし…なにか悪いことしたかなぁ…？」

うるうる、発動。

「や、別に。」

効果ナシ。

「ごめんごめん、俺嘘つけねぇからさ。」

そっちかよ…
いくらあたしがタフだからって、直接言われたらさすがにへこむよ。

「わり、俺先帰るわ。」

え、ちょっ、と

えぇ～～～…

まじ…？

じゃ、と言って立ち上がるマサくん。
呆然とするあたし。

こんな…屈辱…

あっていいわけがない！

ふざけんな、と声に出そうとしたが、

そんなことしたら、すべて水の泡になってしまう。

我慢、我慢…。

「ねぇ…」

クールボーイがくるり、とこっちを向いた。

「…なに？」

現在の【うるうる】は本心だな…結構ナイーブなんだから、あたし。

「俺は、知ってるからね。」ニッコリ笑ってから、今度こそ出て行ってしまった。

知ってる…？
なにが……？

呆然としていると、ヒロとゆみが帰ってきた。

ゆみは、ヒロの腕に引っ付いて離れないようだ。

なんだかヒロもまんざらでもなさそう。

もー、なんなんだよぉ…

はぁ、みんなキライキライキライ(+_+)

「あれ、マサは？」

じーっと、
ヒロを見つめる。
「…帰った。」

次に、ほっぺを膨らませてそっぽ向く。

「あたしも帰る…。ｸﾞｽ」

ヒロは、あたしのこの顔に弱いのよね。

「えっ…え、？りいこ、なにがあったの？」

知らない、と不機嫌そうな顔をする。

困る反面、やっぱりヒロの顔は赤く染まっていく。

あたしに近付こうとするヒロを、ゆみはがっちり掴んで離さない。

うぜ～～…

もういいや、なんかつまんない。

あたしはカラオケを出た。