☆､ヒマワリ

町が一望できる、丘の上のさびれた空き地。

木陰に隠れるようにうずくまって泣いている少女。

ああ､小さい頃の私だ

どこか懐かしい､
優しく輝く太陽

思い出の中の夏の
『色彩』がフラッシュバックする。

空の青

金魚の赤

朝顔の紫

風鈴の水色

夕日の茜色

そして…

ひまわりの黄。

#31 [我輩は匿名である]

_
｢会いに行けなくてごめんなさい…｣

｢…｣

｢会いたかった
でもいつの間にか忘れてたの…｣

すべてを包み込むように、微笑むカズ兄。

鮮やかに黄色く輝く

ひまわり。

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:08/12/18 23:20 :D905i :☆☆☆

#32 [我輩は匿名である]

_
｢母さんが心配してる｡
さ、帰ろう｣

あの日と同じ

カズ兄が差し伸べた、

優しい手。

その手を
掴もうとした瞬間

かげろうのように、
カズ兄の姿が消えた。
_

:08/12/18 23:23 :D905i :☆☆☆

#33 [我輩は匿名である]

_
その場に泣き崩れる私。
涙がとめどなく
溢れてくる。

この涙を
止めてくれる人は、

もういない―

誰もいない、
空き地の中の
小さなひまわり畑。

どこまでも青く澄んだ

青い空。

END

:08/12/18 23:26 :D905i :☆☆☆

#34 [我輩は匿名である]

ひまわり/福原美穂
2008年 07月 16日

ひまわりの種
植えたときは私は幼くて

走る背中を追いかけて
夢中で名前を呼んだ

小さい花びら
麦わら帽子
たくさんつめて私にくれた

風が笑った　君が笑った

ずっとずっと
君に会いたい

大好きな星のカケラ
探したね

ずっとずっと
愛しくおもう

遠くなる、手を伸ばす
はかない夢

:08/12/18 23:41 :D905i :☆☆☆

#35 [我輩は匿名である]

あれから夏が何度かきて
花は咲いて枯れて

小さな恋を何度かして
涙がたくさん出たよ

祭の後で見上げた花火
今年の夏も空に咲いてるよ

ずっとずっと
君に会いたい

泣き虫な私の影
そのままだよ

ずっとずっと
君を探してる

遠くなる、手を伸ばす
はかない夢

:08/12/18 23:45 :D905i :☆☆☆

#36 [我輩は匿名である]