メンソｰル

「こんなとこで泣かない!!場所移動ね!うちは帰るから～」

美穂がそう言って帰って行った

私と新もとりあえず
店をでて新の車の中に移動した

何も言わない私に新が口を開いた

「俺に言うことない？」

謝らなくちゃ……

『いきなりいなくなって
自分勝手でほんまにごめんなさい…』

目に溜まった涙が
溢れこぼれ落ちた時

大好きで夢にまでみた
大きな腕に抱きしめられた

「そんなんじゃなぃ
ごめんなさいなんていらない……」

『新…？』

私の肩に顔をうずめる新は震えてた

『なんで新が…泣いてるの？』
私の声も震える

『私がひどいことしたから？ごめんね…ほんまにごめんなさい…』

「謝んなよ!!
俺が聞きたいのはごめんじゃない……
もう一回俺のこと好きって言ってよ…」

いつも私を気遣ってくれた新

煙草を吸う姿がすごく様になっている新

ちゃんと私のために叱ってくれた新

余裕のない時も
強気な時もいつも私をドキドキさせてくれた

こんなに弱気な新を見たのは初めてで
そんな新をすごく愛しくて
かわいいと思ってる

涙が止まらない
好きで好きで仕方なかった

『好き……新……好きだよぉ…』

かすれた声で
思いを告げると新の腕が余計きつくなる

愛しくて愛しくて仕方なかった
終わりを告げたのは自分なのに
ずっと後悔してた

『新じゃ……なきゃ
私だめ……新がいないと寂しくて死んじゃいそうだよぉ……』

声をあげ泣き出した私に
「俺も……由衣がいないと死にそうだった
好きだ……愛してる…」
少し涙声でかすれている新

私も新の背中に腕を回しお互いきつく離れていた時間を埋めるように
抱き合った

二年半でお互いの気持ちは薄れることがなかった

歯止めがきかない
好きだから

車内というのも忘れ
激しくキスをした

言葉なんかじゃ足りない
身体全身でも表しきれない