メンソｰル

亮はもう童貞ではない

でも私は？

まだ処女だ…

自分から捨てた
恋愛だったのに
亮の初めてを貰った女が
憎らしい

始まりと同じ季節

私達の二回目の恋愛が
スタートした

周りが経験済みとゆうのもあり
焦っていた私

本当に好きな人じゃないと
初めてはしたくないと
思っていた私が
亮とならいいと思うほど
彼を好きになるのに
さほど時間はかからなかった

「由衣…いいの？」

『うん…亮が初めてがいい』

俺が初めで最後だろ

と綺麗な笑顔を作る
あなたが好き

男の割りに華奢な体が好き

節が太くて
ゴツゴツした大きな手が好き

私の初めては
全部この人にあげたい

好き好き好き

愛してる

高校生のくせにって
笑われてもいい

欠点も全部好きになれる人なんて
なかなか出会えるわけじゃない

私の初体験は
６月の雨の日

一生一緒にいたいと
思うくらい好きになった人だった

ばかで浅はかな私は
最低だった

『んｯ……』

「由衣…」

亮とのキスはいつも
タバコの味

『苦い……』

セックスは頭の中まで
真っ白になる…
若かった私が快楽の波に
溺れるのに時間は
かからなかった

あんなに好きだったのに……

すっかりセックスという
行為な味をしめた私は
初体験をしてからというもの
動物のごとくお互いを
求め合った

夏休みに入り
私はとうとうしてしまった

８月初め

夏休みに入ってから
友達と先輩の家に入り浸っていた

俗に言うたまり場

その先輩は１つ上の人で
一人暮らしをしていた

自分より年上で
すでに働いている男に
頼もしさを感じていて
憧れに近い思いも
若い私は恋と勘違いしてしまっていた