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#6 [蛍火]
 
そんなある朝、
またいつもの吐き気に襲われ
トイレにこもっていると

―――――――ドンドン!

「絢音(アヤネ)!絢音っ!」

母が慌てた様子でトイレのドアを叩いた

「なに?どしたの?」

トイレの中から尋ねると

「お友達が迎えに来てくれたわよ!」
 

⏰:09/01/28 17:09 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#7 [蛍火]
 
「え…なんで…?」

体中が硬直し血の気が引いた

どうして?何の為に?
何でいきなり?

疑問しか浮かばない

「ほらぁ!待たせてるんだから早く出てきなさい!」

母の嬉しそうな声が私を呼ぶ
 

⏰:09/01/28 17:25 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#8 [蛍火]
 
行きたくない…
どうしよう

「絢音?行かないの?」

母が心配そうに聞いてくる

どうしようどうしようどうしよう

でもせっかく来てくれたし…
母にも迷惑かけたくない

「…………行く」
 

⏰:09/01/28 18:32 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#9 [蛍火]
 
トイレから出て母に笑顔で答えた

「大丈夫?気分が悪くなったらすぐ帰ってくるのよ?」

母は心配そうに私を見つめるが
私に友達が出来たんだろう、
と思っているみたいで嬉しそうだった

小さい頃から母は私にとても優しかった
私が泣いていると頭をいつも撫でてくれた

だから虐められるのは母のせいだ
こんな顔に産んだ母のせいだ

そんなことは少しも思わなかった

⏰:09/01/28 18:46 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#10 [蛍火]
 
「じゃあ、行ってくるね」

「行ってらっしゃい!具合悪くなったらすぐ帰ってくるのよ!」

母に笑顔で見送られ私は外に出た



この時、無理して行かなければ
母に休むって言えてたら

ねぇ、私の選択は間違っていたのかな…?

⏰:09/01/28 18:59 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#11 [蛍火]
――――――
――――

「まーまっ」
「痛っ!」

鏡の前で動かない私の髪が
思いっきり引っ張られた

「もう痛いじゃない!髪は引っ張っちゃダーメ」
「だってママぼーってしてるんだもん」

ぷいっと顔を逸らしホッペを膨らます
そんな姿に自然と笑みが零れる

⏰:09/01/28 19:22 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#12 [蛍火]
「のーぞーみっ!ほら拗ねてないでこっちおいで?」

チラッとこちらを向くと
またそっぽを向いて
「やーだもん」
「おいでって」
「いーやーよ」
「なでなでしたげるから」
「いらないもん」

………なにこれ反抗期…?
前はもっと素直だったのに!

まぁいいや

そ〜っと後ろから近づき
「拗ねてる子にはこちょこちょの刑!」

⏰:09/01/28 19:34 📱:auCA3C 🆔:Sv2HRysI


#13 [蛍火]
 
「きゃははは//ママやめてやめて!こちょこちょやめて〜」

「まだまだ〜!こちょこちょこちょこちょ〜」

望実は小さく丸くなり必死にもがいている

もう4歳かぁ

ふと壁に掛けてある時計を見上げる
 

⏰:09/01/29 01:37 📱:auCA3C 🆔:S4zYO/GE


#14 [蛍火]
 
「あ゙ぁ!!もう18時!?」

時間経ち過ぎ…

「マーマ?」
「ちょっと急いでご飯用意するから待っててね」
「はぁい!」

あぁどうしよう
遅刻かな…

10分程でオムライスとサラダが完成した

⏰:09/01/29 02:00 📱:auCA3C 🆔:S4zYO/GE


#15 [蛍火]
「ご飯出来たから食べるよ〜」

望実はお気に入りのスプーンを持って
とことこ走ってきた

「あ!のぞみのオムライスくまさんだ!」
「可愛いでしょ〜」
「ママのはくまさんにしないの??」
望実はまだケチャップの付いていない私のオムライスを覗き込む

「あ〜じゃぁママのもくまさんにしようかな♪」

まぁ何でもいいんだけどね(笑

ケチャップを取ろうと
手を伸ばすと
「んっ?」
サッと望実にケチャップを取られてしまった

⏰:09/01/29 02:16 📱:auCA3C 🆔:S4zYO/GE


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