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#351 [蛍火]
「お前はあの苦しみから必死に耐えて頑張ったんだ」
私が頑張った……?
「その頑張りがあったからチビを産めたんだ」
「それは隠すべき事なのか?
お前だってあの時の苦しみを消されたら悲しいだろ?」
:09/02/16 09:54
:auCA3C
:iNC7soQI
#352 [蛍火]
そうだ、私は……耐えた
一生懸命頑張った
泣いて
もがいて
苦しんで
それを無かった事にされてしまうのは
悲しい
「……でも望実には言えないっ…!」
:09/02/16 09:57
:auCA3C
:iNC7soQI
#353 [蛍火]
言えないよ……
遥がまた背を向ける
「言わなきゃ意味がないだろ」
「だって…」
「チビに自分を否定される事が怖い?」
どうしてこの人は私が思っている事を
ズバズバ言い当てるんだろう
:09/02/16 10:05
:auCA3C
:iNC7soQI
#354 [蛍火]
「当然チビはショックを受けて荒れるだろうな」
「お前と同じ位チビも苦しむ」
「でもそれを乗り越えていくのが“親子”ってもんなんじゃないの?」
目頭が熱くなる
止まったかと思うとまた溢れる
「お前が身を傷つけてまで育てた命なんだ
愛情だって人一倍注ぎ込んだ命なんだ
お前がチビを抱き締めてやれば
それが伝わらない訳ないだろ?」
:09/02/16 12:47
:auCA3C
:iNC7soQI
#355 [蛍火]
今まで必死に望実を育ててきた
愛情だって誰にも負けない
それは今もこれからも変わる事はないと思う
「ちゃんと…伝わる……?」
声が震える
涙で遥がよく見えない
私こんなに涙脆かったかな
:09/02/16 13:11
:auCA3C
:iNC7soQI
#356 [蛍火]
なんか…言ってよ
なんで急に黙るの?
やっぱり伝わらないの?
ぼやける視界の中で遥が近付いてくるのが分かる
も……早く
早く
“伝わるよ”
って言ってよ…っ
私を安心させてよ……!
:09/02/16 13:23
:auCA3C
:iNC7soQI
#357 [蛍火]
「…っ!」
―――涙が零れ落ちる
全身が遥の体温に包み込まれ私の震えが一瞬で止まった
私をぎゅうっと抱き締める遥
微かな煙草の匂いが私を落ち着かせる
「…私…は…ッ……」
:09/02/16 16:17
:auCA3C
:iNC7soQI
#358 [蛍火]
「だいじょーぶ」
途切れ途切れ口を開く私に
遥が優しくその言葉をくれた
“大丈夫”
それは私が待っていた言葉
不安を取り除いてくれる言葉
遥が私の頭を大きな手で撫でる
あったかい手
:09/02/16 17:24
:auCA3C
:iNC7soQI
#359 [も〜ら]
あげ〜

:09/02/16 18:36
:F706i
:je6uvah6
#360 [蛍火]
「人ってさー、」
遥の声が体に響く
すごく
安心する
「どんな生き物よりも成長するって知ってた?」
「………」
「年寄りになっても死ぬまで成長するんだ」
:09/02/16 19:37
:auCA3C
:iNC7soQI
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