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#125 [蛍火]
荷物をまとめ
後先考えずに出て行こうとする私に母は呼びかけた
「絢音!待ちなさい」
振り返って見ると
母は泣いていた
涙をボロボロ流し
泣いていた
:09/02/03 14:02
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#126 [蛍火]
「私の元を離れるなら強くなりなさい。」
そう言うと
私に通帳と印鑑を持たせた
「さぁ行きなさい!」
そして泣きながら私を追い出した
:09/02/03 14:17
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#127 [蛍火]
大きなバッグを持って私が向かった先は
あの女の子の家
知り合ってまだ間もないけど
私にとって彼女は
親友とも言える存在になっていた
「私、産む事に決めたよ」
彼女はなんて言うだろうか
やっぱり反対するだろうか
私は思い切って彼女に打ち明けた
:09/02/03 15:14
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#128 [蛍火]
「そっか…絢音が決めたんだから私は応援するよ」
彼女は…賛成してくれた
応援してくれた
この町から出て行く前に
ここに来てよかった
打ち明けてよかった
これからどうなるか分からないけど
頑張れる気がした
:09/02/03 15:28
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#129 [蛍火]
「そんなに荷物持ってどっか行くの?」
彼女が私の荷物を指差して不思議そうに聞いてきた
「旅行に行くんだ」
「そっか!いいなぁ
楽しんできなね!」
とっさに嘘をついた
だって心配かけたくないし
この町には二度と戻らない
:09/02/03 15:35
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#130 [蛍火]
「じゃ帰るね!」
「うん、また明日!」
「また明日!ばいばい」
そして私はさよならした
家族と親友とこの町に
もう二度と戻らない
私は強くなるんだ
:09/02/03 15:40
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#131 [蛍火]
電車に揺られ辿り着いたのは東京
母から渡された通帳には200万入っていた
使いたくないけど
生きるには使うしかない
まずは住む家を探した
でも中学生に貸してくれる業者なんてそう簡単に見付からない
私は駅前で手当たり次第に声をかけ住ませてくれる人を探した
:09/02/03 15:48
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#132 [蛍火]
すると1人のおばあちゃんが
私に耳を傾けてくれた
その人が大家のおばあちゃん
この人に出逢えなかったら
私は今頃どうなっていたんだろう
おばあちゃんは出産する時の
手続きにも手を貸してくれた
:09/02/03 16:00
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#133 [蛍火]
そして無事出産することが出来た
私が望んで育てた実
私が望んで産んだ命
命名 望実
:09/02/03 16:07
:auCA3C
:fkLkKwkQ
#134 [蛍火]
でも私は本当に望実を産んでよかったのかな…?
これで正解だったのかな…?
望実が成長するに従って分からなくなる
そして母から貰った200万は出産費用と家賃、生活費で
いよいよ底がついた
:09/02/03 16:37
:auCA3C
:fkLkKwkQ
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