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#315 [蛍火]
 
再び戻ってきた遥はいつものスーツ姿だった

「あぁ.急に仕事入ったから着替えたんだ
また後で行くし面倒だからこのまま来た」


ふぅん

後でってもう夜じゃん

「忙しいなら来なくていいのに」
「はいはい」
「すっごく迷惑なんだから」
「へぇー」

⏰:09/02/14 12:12 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#316 [蛍火]
 
当たり前のように靴を脱いで中に入っていく遥に
後ろからブツブツと話し掛ける

そんな私のブツブツ攻撃に適当な返事をする


「ねぇ聞いてんの?」

「あれ.チビと翼は?」


居間に着いて
ようやく振り返ったと思ったら私の質問は見事にスルー

いいけどさっ
別に

⏰:09/02/14 12:23 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#317 [蛍火]
 
「一緒にお風呂入ってる」

「はぁ?
あーじゃ俺も後でシャワー貸して」

そう言って上着を脱ぎ部屋を見渡した

そして棚に飾ってある写真に視線を移す

そして


「あんたが断る理由?」

⏰:09/02/14 13:26 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#318 [蛍火]
>>317

連続で“そして”を入れてしまいました(′;ω;`)

一つ省いて下さい

⏰:09/02/14 13:29 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#319 [蛍火]
 
遥の視線の先にあるもの

棚とコルクボードに飾られている沢山の写真


沢山の……望実の写真




そう、私が断る理由


この笑顔は私の一部なの

⏰:09/02/14 14:17 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#320 [蛍火]
 
何も言わない私に遥が振り向き私を見た

なぜか視線を合わせたくなくて咄嗟に逸らす



「何歳で産んだ?」

「中2」

「相手は?」


「……知らない」

⏰:09/02/14 14:26 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#321 [蛍火]
 

「なんで?」

「え……」


なんでって…それは……


まさかそんなに直球で聞かれるとは思わなかった私は戸惑った
だって

普通聞かないよね?
てか聞きづらいよね?

そっぽを向いている私に
遥の真っ直ぐな視線が痛いくらい刺さる

⏰:09/02/14 15:11 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#322 [蛍火]
 
気まずい沈黙


レイプされた

そんなこと言いたくない

口に出したら余計自分が惨めに見える

同情なんかされたくない

かと言って、

お前が弱いから悪い
ヤられるお前にも非がある

そんな批判的な言葉を放たれたら私はどうすればいいか分からない

⏰:09/02/14 17:17 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#323 [蛍火]
 

「なるほど」

「え…?」

独り言に相槌が打たれたような気がして私は思わず遥を見た

「感謝しないとな」

「は?…何に?」


どういう意味なの?
私を馬鹿にしてんの?

⏰:09/02/14 17:50 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


#324 [蛍火]
 

「コウノトリに」



コ…ウノ…ト…リ……?

あぁ
赤ちゃんを運んでくるとか言われてる鳥ね


こいつふざけてんの?

眉にシワを寄せて睨んでみるが
遥は真面目な顔をして私を見ている

⏰:09/02/14 17:56 📱:auCA3C 🆔:HVZ.y9Tg


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