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#71 [蛍火]
「全くウーロン臭くない」
「………」
ねぇ.これ素なの?
この人は素で言ってるの?
いやわざとだよね?
うん.もうなんていうか
凄く疲れたんだけど
「あんた美人だよな」
え?
そう言うと男は煙草に火をつけ吸い始めた
:09/02/01 18:57 :auCA3C :w9OvB3XM
#72 [蛍火]
あぁ…今度は誉めて
からかうんですね
馬鹿にするのもいい加減にしてほしい
「抱きに来たんじゃないなら何の目的で来たんですか?
凄く迷惑なんですけど」
煙草を吸いながら男は下を向いた
「あんたさー…」
:09/02/01 19:28 :auCA3C :w9OvB3XM
#73 [蛍火]
「何ですか」
男は顔を上げると微笑を浮かべ
「俺が貰ってやるよ」
と言い煙草を消した
:09/02/01 19:59 :auCA3C :w9OvB3XM
#74 [蛍火]
“俺が貰ってやるよ”
一瞬思考が停止した
これは…どういう意味?
私を買うってこと?
「そーゆーこと」
「えっ待って!貰うってどういう事ですか!」
:09/02/01 21:38 :auCA3C :w9OvB3XM
#75 [蛍火]
「そーゆーこと」
「意味分かんないです!」
「なんで?」
「なんでって…」
「あんたは何で売りやってんの?」
男の顔がさっきまでの微笑から無表情に変わった
「それは…お金が必要だから」
:09/02/01 22:16 :auCA3C :w9OvB3XM
#76 [蛍火]
「借金返済が理由ー?」
「違います」
「じゃあ何」
私が体売ってる理由…
望実を育てる為
それしかない
望実の為なら自分の体なんか惜しくない
だって私の子だもの。
:09/02/01 22:42 :auCA3C :w9OvB3XM
#77 [蛍火]
「あなたに関係ないですから」
「いくら?」
「え?」
「いくら必要なんだよ」
男はじっと私を見てくる
「いくらって言われても…分かりません」
「なんだそれ」
私は男の瞳から逃げるように視線を逸らした
:09/02/01 22:55 :auCA3C :w9OvB3XM
#78 [蛍火]
「とりあえず今日から俺んとこに引っ越しね」
「は…?」
「貰うって言っただろ」
いやいや!ちょっと待て
「それって一緒に住むってこと…?」
「そーだけど」
:09/02/01 23:25 :auCA3C :w9OvB3XM
#79 [蛍火]
「いや無理です!お断りします!」
この人絶対おかしい!
他人と一緒に住むなんて考えられない
「金なら毎月欲しい分やるよ
あんたは家事だけしてくれればいい
もちろん借金も俺が返しとく」
金額に上限はないの!?
どんだけ金持ちなんだ
家事だけでいいって…家政婦?
:09/02/02 00:05 :auCA3C :xDDY4smc
#80 [蛍火]
「どーすんの?」
男はネクタイを緩めてまた煙草を吸い始めた
上限がないなら今より稼げる
しかも家事するだけ
でも望実は?
私がこいつの家に行ったら1人になってしまう
いくら金を稼いだって
望実と会う時間が減る
いや.会うことさえ
出来なくなるかもしれない
:09/02/02 00:17 :auCA3C :xDDY4smc
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