すれ違い

た「綾は知らね～」

たくみがそう言ったすぐ後に綾と悠哉、りささんが炭を持って帰ってきた

純「綾も一緒に行ってたみたいですね」

た「そーみたいだな」

3人を見ると悠哉とりささんが2人で段ボールに入った炭を持っていて、綾はその後を歩いていた

…綾？

なおが綾が下を向いているのがすごく気になったが、みんながいるためすぐにどうしたのか聞けなかった。

悠「ごめんごめん！おそなった！この人のせいで」

り「ちょっとーそれどういう意味よ！」

悠「そんな高いヒールはいてくるからだろ？」

り「だってヒール高い方が足長く見えるし！」

綾のことを考えるとズキンと胸が傷んだ

た「キャンプにそれはダメだろ～」

たくまが口をはさんで、3人でギャーギャー騒いでいた

そんな3人を見ていると

綾「さ！早いとこ火をおこそ！」

綾が顔をあげ、うわずった声で言った

純「そーだな！」

純介が火をおこし始めた

……10分もしないうちに火がおこった

な「純介すごっ！」

なおの声に反応し、さっきまで3人で騒いでいたたくまたちががやって来た

純「俺こーいうの何気に得意♪」

た「お前！何でそーいうこと言わないんだ！俺の今までの努力は！？」

みんなで笑った

綾も笑ってる、大丈夫そう

亮「お、バーベキュー始めるの？」

そこにはタバコを加えた亮が立っていた

た「てめぇ、今までどこにいやがった」

亮「山？散歩？」

亮の行動には謎が多かったが、たくまとのやり取りは楽しかった

純介もゲラゲラ笑っている

た「亮、お前後片付け決定な」

それからバーベキューが始まった

やっぱりこのメンバーといると楽しい

どんなことを話しても笑いが絶えず、いつもと違う場所ということもあってあっという間に日が暮れた

バーベキューが終わって後片付け

みんなコテージのお風呂の順番ジャンケンで盛り上がっていた

しかし亮はたくまが言ったように後片付けを黙ってしていた

な「あたしも手伝いますよ♪」

亮「わりぃーな」

な「ふふっ。そんなの言うんならなんで散歩なんかしてたんですか？」

亮「別に意味はないわ」

な「あはは。亮さんって謎ですよね」

亮「そう？ま、人と同じなんは嫌やな」

亮はオシャレで人とはどこか違うセンスをしていた

どこか冷静で、顔もキリッとしているため最初は近寄りがたい感じがする

実際話してみても、そんなにすぐ打ち解ける様子はなく口数は少ないが、天然でありどこか寂しげで綺麗な瞳にみいってしまう

時々見せる八重歯がかわいいと思った

純「なお何してんの？あ、亮さんも！片付けか！俺も手伝いますよ」

亮「いや、もう終わるからいいよ」

なおが手伝ってと言おうとした時に亮が純介に言った

純介はその言葉には少し刺があるように感じた

な「…？どーしたの？2人とも怖い顔して」

なおは2人の顔を交互に見ながら言った