漆黒の夜に君と。[BL]
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#108 [ちか]
「そりゃ、黒羽恭弥つったら人気人気。
あの頭脳(アタマ)にあの運動神経、しかも美形。
それで大金持ちのボンボンとくりゃあ、人気にならねーワケねえだろ(笑)」
「そーなんだ・・」
あんなド変態野郎のどこがいいんだか。
:09/02/03 23:55 :P906i :Z2RBanbU
#109 [ちか]
「HR始めんぞー。席つけー。」
そう言って担任が入ってきた。
いつにも増して長ったらしい担任の話。
(だりぃなあ。)
:09/02/04 00:00 :P906i :2CiSMaGI
#110 [ちか]
朝からいろいろあったせいか、疲れ果てた俺を睡魔が襲った。
授業なんて全く耳に入らない。
だいたい窓側の席で寝るなってのが無理な話だよ。
:09/02/04 00:02 :P906i :2CiSMaGI
#111 [ちか]
ふとグラウンドの方に目をやると、どっかのクラスが体育の授業中。
あの黒髪の長身野郎は・・
まさしくアイツ。
:09/02/04 00:07 :P906i :2CiSMaGI
#112 [ちか]
やっぱり一際目立っている。
そりゃあのルックスだもんな〜。
なんて思いながら見てると
(・・げっ、目合った!!)
向こうも俺に気づいたようだ。
:09/02/04 00:11 :P906i :2CiSMaGI
#113 [ちか]
(あっかんべー。)
なんて子供じみた事をしてみた。
すました顔のアイツがやけに気にくわなかったから。
・・が、アイツは特に表情を変える事もなく目をそらしてしまった。
無視か?!
いや、やっぱり俺に気づいてなかったのか・・?
相手にされなかったせいか急に恥ずかしくなった。
:09/02/04 00:16 :P906i :2CiSMaGI
#114 [ちか]
しかしそれは気のせいじゃなかった。
昼休み、5限目の教室移動の為廊下を歩いてると、向かい側から歩いてきたのはまたしてもアイツ。
今度は完全に目があった。
この距離ならそれくらい分かる。
・・なのにまたそらされた。
:09/02/04 00:22 :P906i :2CiSMaGI
#115 [ちか]
少し苛立った俺は、すれ違い際に
「なんでさっき無視したんだよ。」
と話しかけた。
しかしそれも無視。
これは明らかに無視だ。
聞こえてないはずがない。
なんらかの反応を期待してた俺は、驚いて振り返った。
:09/02/04 00:27 :P906i :2CiSMaGI
#116 [ちか]
アイツが通る度にみんな振り返る。
教師だって生徒だって、
みんなアイツをチヤホヤする。
そうだ。
俺の知ってるアイツは、
そう言う奴だった。
今朝まであんなに近かったはずの存在が、急に遠くに感じた。
:09/02/04 00:34 :P906i :2CiSMaGI
#117 [ちか]
よく考えてみれば、
俺とアイツが出会ったのは今年の春で、ちゃんとした言葉を交わしたのは昨日の夜が初めてで。
そんな俺がアイツの眼中にあるわけないよな。
振り返った先に居るアイツは誰かと優しい笑顔で話してる。
:09/02/04 17:17 :P906i :2CiSMaGI
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