漆黒の夜に君と｡[BL]

その甘さと気持ちよさに、俺は心を奪われる。

もっと、
もっと､と求めてしまう｡

恭弥はそんな俺を解っていて、わざとあっさり唇を離した。

ｸﾁｭｯと音を鳴らして唇を離すと、恭弥は自分の唇を舐めた。

その顔も仕草も色っぽくて、目を奪われてしまう｡

あっさりと離された俺は物足りなくて、ほのかに残った熱と感触を確かめるように指で唇をなぞった。

｢ｸｽｯ‥もっとしてほしかった？｣

恭弥はそう言って意地悪く笑う。

その質問があまりにも確信をはっきりと突いていて、俺は顔を赤らめた。

｢う‥るさい‥っ//｣

弱々しく言い返す俺。

本当はもっとしてほしい。
もっと触れてほしい。

だけど、そんな事言えない。
それを口にしてしまったら、恥ずかしくてコイツを睨めそうにもないから。

｢ｸｽｯ､素直じゃないんだから。｣

見透かしたようにそう言うと、また唇を塞いだ。

｢ｯ･･ﾊｧ‥ﾝｯ!!･･ぅっ‥///｣

さっきよりもさらに濃くて、優しいキス。

離れたくなくなるほどに。

その気持ちよさに、俺の目はだんだんとまどろんでいく。

｢ｸｽｯ･･冥、可愛い。｣

｢‥―!!あ‥ｯ･･ん///｣

甘く囁かれて突然耳を甘噛みされた俺は熱っぽい声をあげた。

　

｢耳､感じるの‥？｣

恭弥は俺のツボを知っているかのように、甘く低い声で囁く。

｢･･ｯﾊｧ‥からかうな‥ぁｯ!!!///｣

途切れ途切れに言い返しながら肩で息をする俺を見て、恭弥は満足げに微笑んだ。

耳から首筋へ、首筋から鎖骨へと舌を這わされて、俺はその快楽によって出そうになる声を噛み殺す。

その唇に、
その舌に、
その指に感じていることを知られたくなかった。

俺の小さなプライドがそれを許さなかった。

｢なんで我慢するの？｣

恭弥は舌を這わしながらも、その合間に俺の微妙な行動を察して、的確な問いを投げかける。

まるで、お前の頭の中なんてお見通しだ、と言うような余裕の笑みで俺を見つめる。

俺はそれが悔しくて、今にも出そうな声を必死に飲み込んだ。

｢へえ‥―
冥は頑固だね。
でも･･いつまで我慢出来るかなあ？｣

その瞬間、恭弥は今まで見せたことのないような表情(ｶｵ)をした。

俺はそれに思わず気をとられて、

｢‥―ｯ!!!!?///んぁ‥ﾊｧｯ!!//｣

恭弥に隙を与えてしまった。

恭弥その一瞬を逃さず、ズボン越しから俺のモノを鷲掴みにした。