漆黒の夜に君と｡[BL]

｢そんなに美味しい？｣

両頬をリスみたいに膨らまして料理を頬張る俺に、頬杖をつきながら尋ねてきた。

｢うん、最高っ！｣

｢じゃあ、あげるよ。｣

そう言って恭弥は自分の分を俺によこした。

｢もう、僕お腹いっぱいだから。｣

ニコニコしながら俺にそう言う恭弥。

｢お腹いっぱいって…｣

よこされた皿に目をやると、初めに運ばれてきた時と同じと言ってもいいほど残っていた。

｢それに、冥見てる方が楽しいしね。｣

そう言って俺の口の端についたｿｰｽを指でとってペロッと舐めた。

｢あ､また赤くなった｡｣

ｸｽｯと笑うコイツと
赤面する俺。

めちゃくちゃ悔しい。
またコイツのペースだ…

｢いらないっ!!///｣

｢ｸｽｯ､可愛い♪｣

｢からかうなっ!!!!!｣

｢だって可愛いもん｡｣

｢・・・・｡(怒)｣

あﾞ～～～っ！！！！
もうやだ！！！！

コイツもコイツのペースに流される俺もいやだ…。

良く考えろ俺…

一昨日から今まで何回こう言うやり取りをした？！

いい加減大人になれ俺…

流されるな、
流されるな、俺…

呪文のようにそんな事を小声で呟く俺と、それを不思議そうに見つめる恭弥。

｢恭弥様、そろそろお時間でございます。｣

｢あ、そう。
じゃ、冥行こっか。｣

｢う､うん..｣

次からコイツに流されない事を心に固く決心して俺はその場をあとにした。

車に乗り込んで数十分。

学校まであと少しのところで俺は車を停めてもらった。

｢冥？どうかした？｣

俺を不思議そうに見つめる恭弥。

｢や、あの…歩きたいなって。あははは‥｣

本当は昨日みたいな質問攻めをされたくないだけ。

｢ふうん…、じゃあ僕も降りようかな。｣

｢なっ､なんで?!?!｣

｢なんでって言われても。
冥居なきゃつまんないしね。｣

いや、あんたも降りたら結局昨日一緒なんだよ!!

｢なにか問題でも？｣

｢い､いや…。｣

言葉の中の微妙な威圧感に俺は拒否出来なかった。

>>252訂正
結局昨日一緒なんだよ
└→×
結局昨日と一緒なんだよ
└→○
すみません＞＜

教室に入ると、昨日に巻き戻ったようだった。

恭弥が歩いて登校してきた事がかなり珍しかったらしい。

つーかそんなん本人に聞けっつーの!!!!!
なんで俺が２日連続で朝っぱらからしち面倒くさい目に遭わなきゃいけないんだよ…。