漆黒の夜に君と。[BL]
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#291 [ちか]
「………別に。」

「なんですか、その『間』は。」

「僕はしたつもりない。」

「…じゃあ、心当たりはあるんですね。」

「‥‥‥‥‥。」


(分かりやすい奴…。)

睨みあっていた目を逸らして黙りこむ恭弥に透は呆れた顔をして心の中でそう呟いた。

⏰:09/02/17 20:12 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#292 [ちか]
「別に先輩にどうこう言うつもりはありませんけど、冥の事傷つけたら…」

「傷つけたら?」

「ぶっ殺しますよ。」


目だけが笑っていないその冷たい笑顔を向けて、透はまた扉に手をかけた。
 

⏰:09/02/17 20:18 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#293 [ちか]
「君、冥のなんなの?」

透の後ろ姿をキッと睨んで言った。


「……幼なじみですよ。」



そう言い残して透は保健室を去っていった。

⏰:09/02/17 20:27 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#294 [ちか]
張り詰めた空気の残りが保健室に漂う中、一度大きくため息を吐いて恭弥もその場を後にした。

─────────
────‥‥
─────────‥‥

気がつけばグラウンドから学生達の声が沢山聞こえてきて、今が放課後だと言う事を知った。


教室に置きっぱなしのカバンを思い出して、俺はそこから立ち上がり、教室へと重い足を運んだ。

⏰:09/02/17 20:38 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#295 [ちか]
今何時だろ‥‥‥。


アイツもしかしてまた校門で待ってたりして!!!


そんな事がふと頭を過り、少し足を速めた。


が、
なんであんな奴に気遣ってんだ、俺!
と1人ツッコミをしてまた速度を落とした。

⏰:09/02/17 20:46 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#296 [ちか]
放課後の廊下は静まりかえっていて、足音がよく響いた。


教室に入ると、ガランとした薄暗い中を夕日の光が差し込んでいてなんとも不思議な雰囲気。


カバンを取ろうと自分の席に目線をやると1人の男が窓に持たれながらこっちを見ていた。

⏰:09/02/17 20:54 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#297 [ちか]
逆光でその顔が良く見えず、俺は目を細目ながら近づいていく。


「遅い。」


漸く(ヨウヤク)顔がはっきりと見えたところで、昨日と同じセリフが教室に響いた。

⏰:09/02/17 20:56 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#298 [ちか]
「なんで…居るの…。」


目の前に立っていたのは恭弥だった。


「冥は僕の事勝手だって言うけど、冥も相当勝手だと思うよ?」


俺の質疑なんかまるっきり無視で恭弥は俺に言った。

その目があたりに真っ直ぐすぎて俺は目を逸らす事が出来なかった。

⏰:09/02/17 21:09 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#299 [ちか]
>>298訂正
その目があたりに真っ直ぐすぎて
└→×
その目があまりに真っ直ぐすぎて
└→○
すいません

⏰:09/02/17 21:12 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#300 [ちか]
「……俺のどこが勝手だって言うんだよ。」

俺はその真っ直ぐな目に負けないように強く睨んだ。

「さっきみたいに言い逃げするところとか。」

「あれは‥‥っ!!!」


あれは?と聞き返されてもその後の言葉がまとまらず、俺は口をパクパクした。

⏰:09/02/17 21:23 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


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