漆黒の夜に君と。[BL]
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#375 [ちか]
それからどれくらい経っただろうか。


「冥様、食事の用意が出来ました。」


コンコンと言うノック音と共にドア越しでメイドにそう言われて、俺はムクリとベッドから起き上がった。


1人とぼとぼといつもの部屋へと歩いていく。


中に入ると既に恭弥と優里の姿があった。

⏰:09/02/24 20:28 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#376 [ちか]
おかしいな…


ただ2人が先に居ただけなのに、それだけで食欲が無くなる。


「…冥?どうしたの?」


心配そうに俺を見つめてくれてるのに、それさえも今は俺の胸をギュッと締め付けた。

⏰:09/02/24 20:36 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#377 [ちか]
「俺‥‥‥もういらない」

「え、冥?」

「ごちそーさま…っ」


俺はそれだけ言って、俯いたまま早足でそこから立ち去った。

「うっ‥‥──グスン‥‥」

部屋に入ると同時に俺は崩れるように座り込んだ。

⏰:09/02/24 21:39 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#378 [urahanai]
>>250-500

⏰:09/02/24 21:58 📱:SH904i 🆔:SEuN3xmc


#379 [ちか]
頬を伝う幾つもの水滴。


「なんで涙なんか…──」


拭っても拭ってもソレは止まらない。


涙の音だけが広い部屋に寂しく響いた。

⏰:09/02/24 22:00 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#380 [ちか]
>>378
└→urahanaiさま*

アンカーありがとうございます><★

⏰:09/02/24 23:12 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#381 [ちか]
コンコン..

「───‥‥‥冥?」


その声に俺の身体はビクンと跳ねた。


「なっなに‥‥?」


俺は涙が止まらない目をごしごしと擦りながら平然を装う。


「入るよ?」

!!!!!

「そ、それはだめ‥‥──っ」


そう言って鍵を閉めようとしたが遅かった。

⏰:09/02/24 23:17 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#382 [ちか]
あと一歩のところでドアは開き、目に超至近距離で恭弥の姿が飛び込んできた。


「冥、泣いてたの…?!」

恭弥は驚いたような表情(カオ)で俺の頬に触れた。

「ち、ちがっ!!アクビしてただけっ!!!」



我ながら、なんて苦しい言い訳なんだろう。

⏰:09/02/24 23:35 📱:P906i 🆔:/lrPTybQ


#383 [ちか]
「なんで僕に嘘つくの?」


嘘をつかれたのが余程気にくわなかったのか、恭弥は眉間にシワをよせ、俺の顎をクイッと上にあげた。

その顔の距離に俺は思わず赤面する。


「僕なにかした?」


俺はその問いに何度も大きく横に顔を振った。

⏰:09/02/25 18:21 📱:P906i 🆔:4QKnMiuk


#384 [ちか]
「じゃあなんで泣いてるの?なにかされた…?」

俺は何も言わず俯いて顔を横に振るだけ。


『じゃあなんで
   泣いてるの?』



答えられる筈なかった。

だって‥‥―――、

⏰:09/02/25 18:27 📱:P906i 🆔:4QKnMiuk


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